研究課題/領域番号 |
21K07975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池上 恒雄 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80396712)
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研究分担者 |
古川 洋一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20272560)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | IDH変異 / 肝内胆管癌 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト肝内胆管癌で高率に認められるイソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)及びIDH2変異を標的とする治療法開発の基盤構築のためには、in vitro及びin vivoでの発癌メカニズムの包括的かつ詳細な理解が不可欠である。そのために本研究ではマウス胆管オルガノイドによるin vitro及び遺伝子改変肝内胆管癌マウスモデルを用いたin vivoの実験系により、IDH1及びIDH2変異により発現変動し、癌化に寄与する新規遺伝子とパスウェイを同定し、IDH1, 2変異に起因する腫瘍形成の分子病理学的特徴を解明するとともに同定した遺伝子とパスウェイが治療標的となり得るかを検証する。
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研究実績の概要 |
ヒト肝内胆管癌で高頻度に変異が認められるイソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)およびIDH2変異を標的とした新規治療法開発のための基盤構築を目指し、①マウス胆管オルガノイドにCRISPR/Cas9システムによるゲノム編集技術を用いてIDH1およびIDH2変異を導入し、それらの遺伝子変異により発現変動する遺伝子を網羅的に調べ、癌化に関与する新規遺伝子やパスウェイを同定すること、②IDH1および2変異による肝内胆管癌マウスモデルの樹立とフェノタイプ解析を目指した研究を行った。また、マウス胆管オルガノイドへのIDH1,2変異導入に難渋したため、それらに加えてマウス胎児線維芽細胞にIDH1,2変異をレトロウイルスベクターを用いて導入し、それにより発現変動する遺伝子の網羅的解析をRNAシークエンスにより行った。その結果IDH1,2変異の導入により、グルコーストランスポーターの1つであるGlut1をコードするSlc2a1遺伝子の発現が上昇することがわかった。さらにIDH1,2変異によるSlc21aの発現上昇はPI3K-AKT-mTOR-HIF1alpha経路を介することが明らかとなった。また、IDH1変異およびIDH2変異を肝臓特異的に導入したマウスに肝内胆管癌を含む肝腫瘍は生じなかったが、Kras変異と同時に導入したところ肝細胞癌や肝内胆管癌を生じた。なお、IDH2変異とKras変異を共発現させたほうがIDH1変異とKras変異を共発現させた場合よりも肝内胆管癌の発生頻度が高かった。また、IDH1またはIDH2変異とKras変異を共導入し、さらにFbxw7変異を加えたマウスでは高率に肝内胆管癌を生じた。
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