研究課題/領域番号 |
21K07979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
飯田 宗穂 金沢大学, 附属病院, 講師 (40705604)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 癌内細菌 / 腸内細菌 / 肝細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、肝癌組織内細菌と抗癌治療効果・予後・病期との相関を明らかにし、肝癌内細菌の同定が治療薬選択のためのバイオマーカーとなりうるかを明らかにすることを目的とする。また肝癌組織内の細菌の起源はいまだ明らかにされておらず、同一患者の腸内細菌、口腔内細菌も同定し、肝癌組織内細菌の起源が腸内細菌や口腔内細菌である可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
肝癌は癌による死因の中で第5位を占めており、肝癌を制御するための薬剤開発は年々進歩しているが、多種類の分子標的薬のうち、どのような特徴の肝癌にどの薬剤を用いるかを選択する判断材料となるバイオマーカーはほとんど明らかになっていない。治療薬選択のためのバイオマーカーの発見が求められている。 癌患者の癌組織の外科切除標本からDNAを抽出し、細菌に特異的な16SリボソームDNAを増幅したところ複数の菌種が見つかったことが報告され、癌組織の内部の細菌が抗癌剤の治療効果や癌患者の予後と相関しており、バイオマーカーの候補となりうることが報告された。しかし、肝癌内の細菌の存在について詳しく調べた報告が少なく、治療効果との関連は分かっていない。肝癌組織内にはどのような細菌が検出されるのか、その細菌が抗癌治療の効果や予後とどう相関するかを調べ、肝癌内細菌と同一患者の腸内・口腔内細菌との関連も検討し、非侵襲的な便、唾液の細菌検出から肝癌内細菌を予測できるかを検討する。 本年度においては40例の肝癌患者から、癌組織、便、唾液の3種の検体を収集し、全ての検体につき、イルミナ社のMiseqのMiseqを用いてシーケンシングを行った。便、唾液の検体のシーケンシングにおいては十分に質の高いリードが得られた。一方で、肝癌検体を用いたDNAシーケンシングでは、一部質の低いリードが存在し、シーケンシングの再度実行が必要であると判断された。臨床データにおいても生存予後中心に情報を収集しまとめを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年前半までの新型コロナウイルス感染症蔓延の影響と、2024年1月の能登半島大震災の影響を受けて、本研究課題を実行できない期間が生じたため、研究に遅れが生じた。具体的には、癌内細菌の解析においてシーケンシングの精度の低下があり、再度シーケンシングし直す必要が生まれたが、2023年度内に行う余裕がなかった。2024年度に癌内細菌のシーケンシングを再度行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
肝癌患者の癌組織DNAのシーケンシングについて質の低いリードが22検体について認められた。原因を追及したところ、RNAの混入が原因であると推測された。RNaseを用いて癌DNAを処理した後に、DNAライブラリを作成し、再度シーケンシングを行う計画を立てている。その後、肝癌の40被験者全てのシーケンシングデータがそろうので、臨床データとの相関解析を行い、論文データとしてまとめる予定である。
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