研究課題/領域番号 |
21K07980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上田 佳秀 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (90378662)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / B型肝炎ウイルス / 遺伝子変異 / 遺伝子構造変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、C型肝炎ウイルス(HCV)ならびにB型肝炎ウイルス(HBV)の感染患者体内で生じている遺伝子変異バイアスを明らかにするとともに、遺伝子構造変化も含めた遺伝子変化と病態との関連を解明することである。本研究では、HCVならびにHBV感染患者の病態の変化に応じて経時的に採取した血清検体を用い、1分子リアルタイム・シーケンサーにてウイルス遺伝子解析を行う。各ウイルスの遺伝子変異バイアスを同定し、そのバイアスとは異なる変異を中心に各病態に関連する遺伝子変化を明らかにする。さらに、同定された遺伝子変化の意義をin vitro研究にて解明する。
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研究成果の概要 |
C型慢性肝炎ならびに肝移植C型肝炎再発症例の抗HCV治療前後の血清におけるHCV遺伝子配列を1分子リアルタイム・シーケンサーならびに次世代シーケンサーを用いて同定した。HCV遺伝子配列の変化の分子系統樹解析を行い、HCV遺伝子変異バイアスの特徴としてtransition変異が多く生じていること、中でもA→GとU→C変異の頻度が高いことを明らかにした。一方、既知の薬物耐性変異はtransversion変異によっても生じていた。 B型慢性肝炎患者のHBV遺伝子配列を同様に解析した結果、HBVのpreS/S領域ならびにC領域に欠失を認めるHBVの構造変化を多数例で認め、臨床経過との関連を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、C型ならびにB型肝炎ウイルスの感染患者体内で生じている遺伝子変異バイアスを明らかにし、遺伝子構造変化も含めた遺伝子変化と病態との関連を解明した。これらの遺伝子配列の変化が臨床経過と関連していることから、臨床像の予測や個々の症例に最適な治療法の検討へと繋がることが期待できる。また、近年問題となった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のように、社会的に問題となり早急な対策が必要となる新規ウイルス感染症の遺伝子変異の解析にも応用できる解析手法を確立したため、様々なウイルスの遺伝子変化と病態との関係を解明する研究法として今後の学術的な発展が期待できる。
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