研究課題/領域番号 |
21K07998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
芳賀 弘明 山形大学, 医学部, 准教授 (70466613)
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研究分担者 |
星川 恭子 山形大学, 医学部, 助教 (20613053)
勝見 智大 山形大学, 医学部, 助教 (70637355)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 間葉系幹細胞 / 急性肝不全 / Extracellular Vesicles |
研究開始時の研究の概要 |
急性肝不全の重症な病態である昏睡型急性肝不全は死亡率がきわめて高い疾患である。申請者は急性肝不全マウスモデルにおいて間葉系幹細胞由来細胞外小胞(MSC-EV)が肝機能および肝組織を改善させ、生存率を上げることを明らかにした。しかし、間葉系幹細胞の培養液からMSC-EVを抽出するには時間がかかるため、緊急を有する臨床においてはMSC-EVの有効な保存方法の確立が必要である。本研究では、急性肝不全に対して有効な生理活性を持つMSC-EVの保存法や期間の違いによるMSC-EVの形態学的変化、内容物(RNA、蛋白)の変化について解明し、保存MSC-EVでの急性肝不全マウスモデルへの効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
急性肝不全マウスにおいて、間葉系幹細胞由来細胞外小胞(MSC-EV)は肝機能、肝組織を改善させるが、緊急性を有する臨床においてはMSC-EVの有効な保存方法の確立が必要である。我々はMSC-EVの凍結乾燥保存法の検討と、凍結乾燥MSC-EVの急性肝不全マウスへの効果について研究を行った。PBS、1%スクロース、5%スクロース溶液を用いた凍結乾燥法を比較した結果、MSC-EVの数、RNA、および形態は5%スクロース溶液で最も維持されることが示された。さらに、5%スクロースでの凍結乾燥MSC-EVは、非凍結乾燥MSC-EVと同様に、急性肝不全マウスの肝機能および肝組織を改善させることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昏睡型急性肝不全は、死亡率が極めて高い疾患であり、肝臓移植を要する患者も存在する。しかし、深刻なドナー不足のため、新しい肝再生医療の開発が必要とされる。急性肝不全マウスにおいて、MSC-EVは肝機能改善に寄与するが、臨床応用を考えた際に問題となるのはMSC-EVの保存方法である。間葉系幹細胞の培養液からMSC-EVを抽出するには時間がかかるため、緊急性を有する臨床においてはMSC-EVの有効な保存方法の確立が必要である。今回、我々はMSC-EVの凍結乾燥法の確立と、その凍結乾燥MSC-EVが急性肝不全マウスの改善に寄与することを示した。これにより、EVの臨床応用に一歩近づくものと考えられる。
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