研究課題/領域番号 |
21K08016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
福井 広一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60378742)
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研究分担者 |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
富田 寿彦 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60388824)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 免疫学 / 遺伝子 / 臨床 / 再生医学 / 感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は Reg 蛋白が消化管粘膜の再生・修復を促進することを明らかにしたが、近年、抗菌ペプチドとして粘膜防御に役割を果たす可能性も示唆されている。本研究では、機能性消化管障害と寛解期の炎症性腸疾患に生じる過敏性腸症候群様症状の病態解明を念頭におき、種々の動物モデル (Reg 遺伝子改変マウス、抗菌薬および高脂肪食負荷による dysbiosis モデル、母子分離ストレスモデル) を用いて腸内細菌、粘膜バリア機能および免疫応答における Reg family 蛋白の機能解析を行い、腸内細菌叢の攪乱と消化管微小炎症における Reg family 蛋白の役割を明らかにすることを目的として研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
我々はこれまで,Reg ファミリー蛋白が炎症性消化管疾患で強発現して病態形成に役割を果たすこと,加えて,消化管組織においてIL-22/STAT3 シグナルによりその発現が増強し,腸管の自然免疫にも役割を果たす可能性を示唆した.さらには,高脂肪食負荷による腸内細菌叢攪乱 (dysbiosis) マウスモデルでは小腸において Reg IIIb と Reg IIIr の発現が減弱し,粘膜バリア機能に重要なタイト結合蛋白のうち occludin の発現が減弱した結果,粘膜の透過性が亢進して肝組織への LPS 侵入が促進されて肝組織における脂肪蓄積が増強することを明らかにした.その際,病理組織学的に小腸組織で粘膜傷害が認められないにも関わらず分子レベルでは IFN-r や IL-6 など炎症性サイトカインの発現が増強し,消化管に微小炎症が存在していることを見出した.次に我々は寛解期の炎症性腸疾患患者における微小炎症炎症の病態形成における意義について検討した.Reg ファミリー蛋白が活動性のある炎症性腸疾患で著しく強発現しているが,寛解期の炎症性腸疾患患者の消化管組織でも持続的に強発現しており,それらの患者における消化管の微小炎症を便中カルプロテクチンンで評価した結果,粘膜は治癒しているにも関わらず正常化していないことを示した.興味深いことに,微小炎症の強度と腹痛などの腹部症状の発現に正の相関が認められた.現在は Reg ファミリー蛋白が消化管免疫において免疫担当細胞の機能獲得に果たす役割について解析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食事起因性の dysbiosis 環境下において抗菌ペプチド候補である Reg ファミリー蛋白の発現低下が粘膜バリア機能の低下に関与し,消化管の微小炎症が生じることを明らかにした.また,その微小炎症が腹痛などの腹部症状に関連することを示した.消化管微小炎症における Reg ファミリー蛋白の作用機序を解明する為,マクロファージの分化とサイトカイン産生能に及ぼすReg ファミリー蛋白の効果と分子メカニズムをin vitro 実験で検証していく計画を進めており,本研究は概ね当初の計画通りに進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
リコンビナント Reg ファミリー蛋白を用いてマクロファージを刺激する in vitro 実験系を構築し,マクロファージの分化やサイトカイン産生能に及ぼすReg ファミリー蛋白の直接作用とその際の分子メカニズムを解明していく予定である.また,抗菌薬投与による dysbiosis モデルにおけるReg ファミリー蛋白の役割についても検討していく予定である.
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