研究課題/領域番号 |
21K08017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
馬場 良子 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90271436)
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研究分担者 |
森本 景之 産業医科大学, 医学部, 教授 (30335806)
國分 啓司 産業医科大学, 医学部, 助教 (00432740)
中村 健太 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (60789692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 回腸 / 杯細胞 / パネート細胞 / 炎症性腸疾患 / TNF-α / オルガノイド / ヒストンメチル化 / DSS腸炎モデルマウス / 顆粒杯細胞 / 中間型細胞 / 小腸 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患でパネート細胞の異所性出現および異常が生じることが知られている。また、パネート細胞の異常と腸炎発症やクローン病再燃との関連が報告される等、パネート細胞の性状が疾患の起点となる可能性が示唆されている。私達はこれまでに、発達段階のパネート細胞特異的にエピジェネティックな変化が生じ、その前後で形態的特徴が変化すること、未熟なパネート細胞の形態が疾患時と類似することを発見した。そこで、発達段階と疾患時のパネート細胞との形態的共通性、エピジェネティック制御の関与を解明する目的で本研究を計画した。パネート細胞の成熟に関わる機構を明らかにすることで、炎症性腸疾患発症の機序解明にも繋がると考える。
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研究成果の概要 |
炎症性腸疾患(IBD)でパネート細胞の異所性出現や異常、IBDモデル動物で未熟パネート細胞、異常な果粒や脱果粒障害が生じることが報告されている。私達の研究結果から、IBDで出現するパネート様細胞は幼弱型であり、IBDで生じる分泌系細胞の変化はパネート細胞と杯細胞の分化に関わるスイッチがOFFまたはONになった可能性を考えた。今回、発達過程マウス及びIBDモデルマウス、オルガノイドを用いて形態学的解析を行った。その結果、炎症でマウスとオルガノイドの腸陰窩、パネート細胞に同様の変化が生じたことから、炎症とパネート細胞の分化・成熟、パネート細胞の成熟とヒストンメチル化が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IBDでパネート細胞の異所性出現、異常、杯細胞の減少が、IBDモデルマウスで未熟なパネート細胞、果粒の異常、脱果粒の障害が報告されており、IBDとパネート細胞との関連が推測される。今回、モデル動物回腸やオルガノイド回腸上皮に顕著な障害は見られなかったが、パネート細胞に変化が認められた。炎症の持続や再燃等により小腸にも障害を生じる可能性がある。また、パネート細胞に変化が生じる背景にヒストンメチル化の関与を示すことができた。今後、ヒストンメチル化で発現が変動する遺伝子の解明を目指す。炎症とパネート細胞の形態変化との関連を明らかにすることは、IBD発症の機序解明や予防に繋がると考える。
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