研究課題/領域番号 |
21K08029
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石田 万里 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (30359898)
|
研究分担者 |
石田 隆史 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40346482)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | DNA損傷 / ミトコンドリア / 細胞質DNA / 炎症 / 動脈硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は動脈硬化の発症に核のDNA損傷が深く関わっていること、動脈硬化の危険因子が細胞質のDNA断片を増加させること、その由来が核のみならずミトコンドリアであることを明らかにしてきた。核とミトコンドリアの緊密な相互作用は刻々と変化する細胞環境への対応に重要な役割を果たしていることがわかってきた。本研究の目的は、1)核あるいはミトコンドリアDNA損傷を契機としたmito-nuclear crosstalkの破綻が動脈硬化発症の成因である、2)核あるいはミトコンドリアDNA損傷による細胞質DNA断片の増加が炎症を惹起し動脈硬化発症の成因となる、という二つの仮説を検証することである。
|
研究成果の概要 |
本研究では核とミトコンドリアの相互作用が動脈硬化の病態において重要な役割を果たしていることを示した。タバコ煙は内皮細胞の核の酸化的DNA損傷を惹起するだけでなく、ミトコンドリアの機能障害を生じさせ、minority MOMPを介した核内CADの増加を通し核DNAの二本鎖切断を生じさせた。ミトコンドリアおよび核DNA断片は細胞質に蓄積し、cGAS-STINGの活性化を介してIL-6を増加させ、これは細胞内ミトコンドリアの枯渇により消失した。以上から、タバコ煙は核DNAの直接損傷に加え、ミトコンドリア障害を介した核DNA損傷を惹起する、というmito-nuclear crosstalkが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、核とミトコンドリアの相互作用が動脈硬化の病態において重要な役割を果たしていること、ミトコンドリアの機能障害とミトコンドリアDNAの細胞質あるいは細胞外への流出が炎症惹起のキープレイヤーである可能性が示された。動脈硬化は発症初期から進展、破綻するまで持続的にその病態に炎症が関与している。したがって血中のミトコンドリアDNAは動脈硬化における炎症の活動性の指標になる可能性があり、今後バイオマーカーとして臨床応用につながることが期待される。
|