研究課題/領域番号 |
21K08030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小泉 洋平 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (60596815)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | FALD / サルコペニア / Elastography / フォンタン術後肝合併症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、先天性心疾患症例に対してFontan術等を施行された後の遠隔期肝合併症(FALD)が問題となっている。FALD症例の予後リスク因子は不明で、生命予後の指標を確立する必要がある。成人肝硬変症例の非侵襲的画像診断の有用性が多く報告されているが、FALDにおける非侵襲的画像診断の有用性は報告が少ない。また、成人肝硬変症例の生命予後には骨格筋量低下(サルコペニアが危険因子であることが知られている。本研究はサルコペニア評価と非侵襲的画像診断を用いて、FALD症例の生命予後因子を明らかにしていくことを目的とする。
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研究成果の概要 |
今回我々はFALDとサルコペニアの関連を明らかにすることを目的とした。サルコペニアと診断した症例の骨格筋量中央値は、男性 7.12 cm2/m2 : 5.89 cm2/m2、女性 5.42 cm2/m2 : 4.05 cm2/m2 (コントロール:FALD)とFALD群の方が有意に低値であった(P<0.001)。骨格筋量は年齢、NYHA機能分類、血清クレアチニンと相関していた(P<0.001)。Fontan循環不全に関連する因子を多変量解析で検討し、NYHA機能分類≧3,BNP,骨格筋量が予測因子であった。VCTEを用いた肝硬度値はサルコペニア群の方が有意に高値であった(P=0.0014)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先天性心疾患に対するFontan術を施行された後に、遠隔期肝合併症(FALD)としてうっ血肝から肝硬変に進展し、肝癌を発症する症例がある。成人肝硬変症例の生命予後には骨格筋量低下(サルコペニア)が危険因子であることが知られているが、サルコペニアがFALDにおいても予後因子になるかは過去に報告が無い。今回の我々の検討の結果、サルコペニアはFontan循環不全の予測因子であり、FALDによる肝線維化進展のリスク因子となると考えられた。骨格筋量の評価は、Fontan循環における多臓器不全の包括的なスクリーニングツールとなる可能性がある。
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