研究課題/領域番号 |
21K08037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山田 浩之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00240036)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 母体高脂肪食 / エピジェネティクス / 胎児プログラミング / 腹部大動脈瘤 / マクロファージ / 炎症 / CHIP |
研究開始時の研究の概要 |
母体高脂肪食による胎児プログラミングはエピジェネティクな遺伝子発現修飾を介して出生児の成人期における肥満やインスリン抵抗性、心血管病の発症を促進し、生活習慣病の新たな治療標的として注目されている。一方、加齢と密接に関連した骨髄由来幹細胞の体細胞変異であるCHIP(Clonal hematopoiesis of indeterminate potential)が心血管病発症の新たなリスク因子として近年注目を集めている。本研究は、高脂肪食負荷母体由来マウス仔の骨髄由来幹細胞における体細胞変異に注目し、心血管病発症進展機序における胎児プログラミングとCHIPとの因果関係を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
胎生期の栄養状態や母体環境が成人期の心血管疾患罹患率に影響することは、胎児プログラミングとしてこれまでに報告されており、エピジェネティック修飾は心血管疾患や代謝疾患、悪性腫瘍の新たな治療法として注目されている。 母体の高脂肪食摂取により、出生児の成人期にはマクロファージによる炎症反応によって動脈硬化の進展やインスリン抵抗性を引き起こすことが示されてきた。腹部大動脈瘤(AAA)は世界的に最も有病率の高い動脈硬化性疾患の一つであり、その発症はマクロファージの増加や炎症反応と密接に関係している。本研究では、高脂肪食を与えた母体由来マウス仔の、胎児プログラミングを介したマクロファージの破骨様細胞への形質変化が、AAAを増悪させるメカニズムについて解析を行った。 本研究の結果より、母体の高脂肪食負荷が出生マウス仔の成体期におけるAAAの増悪に深く関与していることが示された。そのメカニズムとして、エピジェネティックな機序によりBMDMでのNFATc1の発現が促進されることで、破骨細胞様マクロファージへの分化が亢進する結果、MMPの発現が亢進していることが示唆された。本研究の成果は、胎児プログラミングによるマクロファージ形質変化の新たなメカニズムとしてH3K27me3を介したNFATc1の活性化に着目しており、AAAのみならず、出生マウス仔の心血管系疾患の進展を制御する新たな医療の構築に繋がる可能性を含有していると考えられた。
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