研究課題/領域番号 |
21K08042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
佐々木 直人 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00514746)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 大動脈瘤 / 炎症 / 免疫 / 紫外線B波 |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化性疾患の治療・予防はいまだ十分ではなく、新規治療法の開発が望まれている。その病態進展には病的な免疫応答による慢性炎症が関与し、免疫調節において重要な制御性T細胞(Treg)は動脈硬化の抑制に関わるが、その抑制機序については不明な点が多い。本研究ではケモカイン受容体に着目し、Tregによる動脈硬化抑制の機序を明らかにする。私たちは、皮膚疾患の治療に用いられている紫外線B波(UVB)を動脈硬化モデルマウスに照射することにより、Tregを増加させることで動脈硬化を抑制できることを報告した。UVBを用いた新規治療法の開発を目指して、動脈硬化抑制に有効な波長の特定と抑制機序の解明を行う。
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研究成果の概要 |
動脈硬化性疾患の病態進展には、T細胞性免疫応答の異常による血管炎症が深く関与する。病態モデルマウスを用いて、動脈硬化性疾患の発症・進展機構と新規治療法を見出した。ケモカイン受容体C-C chemokine receptor 4(CCR4)はT細胞の免疫応答を調節することで動脈硬化病変形成の抑制に働き、一方で、その遺伝子欠損により、腹部大動脈瘤の形成は抑制されることを見出した。発光ダイオードの技術を用いた紫外線B波(UVB)照射器を用いて、282 nmの波長のUVB照射により、炎症抑制性に働く制御性T細胞の免疫応答の増強を介して動脈硬化を抑制できることを報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国での心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患は、癌についで死亡原因の第2位となっており、その発症機序の解明と有効な治療法・予防法の開発が求められている。動脈硬化が発症に関与する腹部大動脈瘤に対しては外科的治療が行われるが、合併症のリスクが高く、非侵襲的な薬物療法の開発が必要である。CCR4は成人T細胞白血病リンパ腫などの治療標的として注目されており、この分子の機能修飾による画期的な動脈硬化性疾患治療法の開発が期待できる。UVB療法は、経済的負担が少なく安全な治療法として皮膚科領域で臨床応用されており、動脈硬化性疾患に対する新規治療法として臨床応用できる可能性がある。
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