研究課題/領域番号 |
21K08047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
網谷 英介 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80529090)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 重症心不全 / allocation / 転院 / 病病連携 / 心不全 / PRO |
研究開始時の研究の概要 |
患者の医療介入度の度合いに沿った適切な患者分配のallocationを行うためのスコアの創出を目ざす。またこのスコアをもとに遠隔的に複数の医療施設が患者分配に関して討議するシステム作りを開発する。本結果として限りある医療施設の効率的な利用、結果としての医療資源の節約、経済的な効果を期待できる。もう一点は患者・患者家族のニーズに沿った心不全医療を目指すためにPatient-reported outcome(PRO)の整備について目的とする
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研究実績の概要 |
患者重症度に合わせて医療施設を適切にご案内する方法の一つとして、重症患者の転院に関する解析が有用と考え、当院に心不全加療について相談のあった重症心不全症例の転院について解析した。補助人工心臓や心臓移植検討目的に当院に転院した症例について、近距離の医療施設からの転院と長距離の医療施設からの転院に分け、転院後の転機について確認した。とりあげたアウトカムとしては転院後のカテコラミン増量、機械的補助の追加、腎機能の増悪について、心不全悪化ととらえカウントした。結果として長距離の医療施設からの転院症例については、転院後の心不全悪化のアウトカムが有意に増加した。このことより、やはり長距離の転院についてはリスクが高くなり、そのような転院の前により近隣の中堅病院に転院していく方法がより適切と考えられた。以前の同様の検討で強心薬投与を経験した心不全患者については補助人工心臓・心臓移植あるいは死亡に至るリスクが高いことが確認されており、今回の検討を合わせて考え、そのような既往がある患者に関しては早期の段階でより中心的、専門的医療施設に段階的に紹介することが望ましいと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全治療施設適正化のためのリスクスコアの創出のために、重症心不全症例のイベント予測、転院時の状態悪化のリスクなどの決定因子の検索を進めることができた。しかしながら、多様な心不全患者層を対象としたPatient-reported outcomeの候補選定、及びそれらの重要度をもとにした重みづけなどの評価については、まだ十分に進められていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後、今までの知見をもとに転院該当症例の遠隔相談システムの構築に必要なステップの確認、実際に現実化する上での問題点の列挙、その解決策について精査する。また多様な心不全患者層を対象としたPatient-reported outcomeの候補選定、及びそれらの重要度をもとにした重みづけなどの評価について引き続きすすめていく。
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