研究課題/領域番号 |
21K08055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
野口 達哉 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (50566495)
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研究分担者 |
戸高 寛 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (80769662)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Sig1R / Sig1Rリガンド / 筋再生 / 筋分化 / 虚血 / Sigma 1受容体 / 末梢動脈疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
末梢動脈疾患は下肢の血流障害により潰瘍・壊死を生じる重篤な疾患である。予後が悪く下肢切断に至る場合が多いため、新たな治療法の開発が強く求められている。本研究では、①Sigma 1受容体(Sig1R)リガンドを末梢動脈疾患モデル動物に投与して病態改善効果を統合的に評価する、および②Sig1Rリガンド投与による治療効果のメカニズムを分子レベルで理解する。これらの解析により、Sig1Rリガンドによる末梢動脈疾患の新規治療法の開発および治療効果の分子基盤の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
Sig1Rリガンドが末梢動脈疾患に対して病態改善効果を示すか検証するために、予備実験として末梢動脈疾患モデルマウスに複数種のSig1Rリガンドを投与し、組織学的解析および生化学的解析を行った。その結果、Sig1Rと最も親和性の高いリガンドの投与により末梢動脈疾患の病態を改善させる傾向が得られた。さらに、末梢動脈疾患モデルマウスにおける病態をフェーズごとに分類して、Sig1Rリガンドの投与を行った。 また、骨格筋細胞の分化過程においてSig1Rが発現変動するかを明らかにするため、骨格筋培養細胞株であるC2C12細胞と骨格筋初代培養細胞であるサテライト細胞を分化させ、western blot法によりSig1Rの発現を検証した。その結果、両細胞においてSig1Rの発現が認められ、さらには分化段階に応じて発現が変動することが明らかになった。次に、Sig1Rリガンドが骨格筋細胞に直接作用するかを検証するために、C2C12細胞とサテライト細胞にSig1Rリガンドの投与を行った。その結果、Sig1Rリガンドは骨格筋細胞の分化を促進することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Sig1Rと親和性の高いリガンドが末梢動脈疾患の病態を改善する傾向が得られた。さらに末梢動脈疾患モデルマウスの病態のフェーズごとにSig1Rリガンドの投与を行い、サンプリングを行った。現在、これらのサンプルを用いて、Sig1Rリガンドの病態改善効果について組織学的解析および生化学的解析により検証している。加えて、骨格筋細胞におけるSig1Rの機能解析も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
末梢動脈疾患モデルマウスの病態のフェーズごとにSig1Rリガンドを投与した組織を用いて、生化学的解析および免疫組織化学的解析を行う。さらに、サーモグラフィー解析より得られた血行動態評価と合わせて、Sig1Rリガンドによる末梢動脈疾患に対する病態の改善効果を統合的に評価する。加えて、siRNAおよび過剰発現ベクターを用いて骨格筋細胞におけるSig1Rの機能解析も行っていく予定である。
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