研究課題/領域番号 |
21K08057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
上村 大輔 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80631340)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 拡張期心不全 / オステオプロテジェリン / 骨代謝 / heart failure / diastolic function / osteoprotegerin |
研究開始時の研究の概要 |
近年、心不全の中でも左室収縮機能が保持されているタイプが全体の約半数をしめている。収縮機能が低下した心不全に対して多くの治療薬が確立する中で、収縮機能が保持されている心不全に対する治療戦略は十分に確立していない。従来骨代謝の研究の中で発見されたオステオプロテジェリンとそれと関連する因子は、心臓にも存在し、心臓の形態や機能に影響を及ぼしている可能性が示唆されている。収縮機能の保持された心不全の病態において、オステオプロテジェリンやそれと関連する因子がどのようにふるまい、影響を及ぼすのかを明らかにし、これまでにない新たな治療ターゲットとなりうるのかどうか検証していく。
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研究実績の概要 |
(基礎研究)2021年度までに実施していた動物実験の結果、ダール食塩感受性ラットの拡張期心不全モデルにおける左室心筋中のオステオプロテジェリン(OPG)のmRNAおよび蛋白発現量はモデルにおいて、代償性肥大期および心不全期のいずれもControl群と比較して増加し、心不全期においてより増加していた。このため、In vitroの実験系を用いてオステオプロテジェリンの心臓線維芽細胞におけるコラーゲン産生への影響を検討している。現在までに十分な結果が得られていないため、引き続き検討が必要な状況である。 (大規模コホート研究)2021年度までにAtherosclerosis Risk in Communities Study(ARIC Study)を用いて血漿中OPG濃度と心不全の発症について検討しOPGは心不全の発症と強く関連し、心不全のサブタイプ(収縮性の低下した心不全、収縮性の保持された心不全)の両方の発症に同等に関連していた。また、Cross sectionial研究として血漿中OPG濃度は交絡因子で補正したあとも左室心筋重量係数や相対的壁厚、僧帽弁流入血流速波形や組織ドップラーを用いた左室拡張機能指標、左房容積などと有意に関連していることを確認している。その後同データについて論文化をすすめて完成したものの、事情により雑誌への投稿が控えら れている状況となっていた。このため、新たに、Biologic Specimen and Data Repository Information Coordinating Center(Biolincc)を介して、Jackson Heart StudyとFramingham Heart Studyのデータを用いて研究を行うこととなった。現在IRBに申請している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 研究協力者が臨床に戻り、実験の実施が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
(動物実験)現在In vitroの実験を再開するための準備をしている。ヒトの線維芽細胞を用いてオステオプロテジェリンによるコラーゲン産生への影響を検討する予定である。 (大規模コホート研究)ARIC studyの研究は論文を作成したものの、現在事情があり雑誌に投稿できていない。このため、別のコホート研究(Framigham Heart Study, Jackson Heart Study)を用いて新たに検討する予定である。コホート研究とIn vitroの研究を組み合わせて一つの論文にしたいと考えている。
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