研究課題/領域番号 |
21K08065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤井 健一 関西医科大学, 医学部, 講師 (90434943)
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研究分担者 |
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
塩島 一朗 関西医科大学, 医学部, 教授 (90376377)
植田 大樹 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 前期臨床研究医 (90779480)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 深層学習 / 動脈硬化 / 光干渉断層画像 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では深層学習の手法を用い、高性能コンピューターに膨大な光干渉断層画像装置(OFDI)と病理のペア画像を学習させ、人間による読影では達成し得ない高い精度で冠動脈の組織性状診断が行えるプログラムを開発することを目的とする。本研究の未来として、同プログラムをOFDI装置に組み込むことで、経験の浅い非専門医でも不安定粥腫を正確に診断することができ、経皮的冠動脈インターベンションによる合併症発生リスクを軽減させる適切な治療戦略や急性心筋梗塞発症の予防方法を確立させることを可能とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、冠動脈不安定粥腫の同定を目指し、剖検を行った検体45例の剖検心から冠動脈を剥離し、体外で光干渉断層画像(OFDI)カテーテルを冠動脈内に挿入し冠動脈の連続OFDI断層画像を撮影しました。その後に冠動脈をOFDI画像と対比できるよう3mm間隔のブロックで切り出し、パラフィンで固定し、検体ブロックを4μmの厚さで薄切し、病理切片(断層画像)を作成・染色しました。冠動脈の形態、冠動脈側枝からの距離を参考に、病理切片と体外で得たOFDI画像を1:1で対比させ、病理画像の組織性状診断は病理学専門医が行いました。OFDIと病理のペア画像は1,693ペア作成し、その内、病理画像上で異常所見があると判断されたもの1,103ペア画像をディープラーニングの入力用画像として使用。ディープラーニングのアルゴリズムはPSPnetを用い、encoderとしてResNet50のアルゴリズムを用いて、ディープラーニングワークステーションへ実装しました。それにより、初年度は高い精度で冠動脈不安定粥腫を同定することに成功しました。次年度は同アルゴリズムを使用して、実臨床で取得されたOFDI画像を組織性状解析し、冠動脈カテーテル治療(PCI)に与える影響について調査しました。結果、深層学習モデルにより冠動脈石灰化プラークと診断された病変に対してステントを用いたPCIを行うと、ステント血栓症の原因の一つであるステント拡張不良が生じる傾向にあることが分かりました。最終年度は診断精度をさらに向上させるために動物実験を実施しました。教師データを増やすために、ウサギの腸骨動脈に動脈硬化モデルを作成し、同部位にOFDIを行い、OFDIと病理のペア画像を得ました。動物実験を行うことで、画像を502ペア増やすことができ、構築したディープラーニングアルゴリズムによる診断精度を大きく向上させることに成功しました。
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