研究課題/領域番号 |
21K08077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
金森 寛充 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (20456502)
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研究分担者 |
吉田 明弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50869906)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オートファジー / 拡張型心筋症 / 心不全 / リバースリモデリング / LC3 / カテプシンD / 心筋梗塞 / 心筋症 / 心筋生検 / 心筋病理 / SGLT2阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒト心筋生検組織と臨床データを用いてオートファジーと左室リバースリモデリングや心不全予後との関連を明らかにする。さらに動物実験により長期的なオートファジーへの介入が左室リモデリングに与える影響についてSGLT2阻害薬を用いて明らかにする。SGLT2阻害薬の抗心不全作用は持続的な心筋オートファジーの亢進による効果である可能性がある。これらの臨床研究と動物実験から新しい心不全治療戦略を追求する。
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研究成果の概要 |
オートファジーは細胞内蛋白分解機構の1つである。左室リバースリモデリング(LVRR)における心筋オートファジーの役割を調べるためヒト拡張型心筋症(DCM)の心筋生検標本を用いた検討を行った。LVRR成功例と非成功例を調べたところLVRR成功例ではオートファジー空胞が多くリソソーム活性の指標であるカテプシンDの発現が増加していた。ロジスティック解析によりオートファジー空胞の数とカテプシンDの発現はLVRRの予測因子であることが示された。またLVRRが成功した症例はその後の心血管イベントが少なかった。以上より心筋オートファジーはDCMの予後予測因子となると同時に治療標的になりうることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに種々の心不全動物モデルでオートファジーの活性化が治療になることが報告されてきた。しかし比較的短時間の試験であり長期的な効果は不明であった。オートファジーの過度な促進は自己崩壊を招きかねず果たして長期間にわたる活性化が生体にとって有効であるか不明であり、ヒトにおける長期的なデータはなかった。本研究はオートファジー活性が高い方がLVRRを改善し心血管イベントを抑制することを示した。これはオートファジーマーカーが単なる予後予測因子に留まらず治療手段になりうることを示している。オートファジーを介した治療法は確立していないので本研究は新しい治療法・創薬への方向性としても意義があると考える。
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