研究課題/領域番号 |
21K08098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 敏弘 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50802394)
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研究分担者 |
東邦 康智 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10586481)
瀧本 英樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20709513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドパミン受容体 / 心不全 / D1R / 小胞体ストレス / NF-kB / 不整脈 / 心筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は先行研究で圧負荷モデルマウス及びヒト心不全の心臓組織の遺伝子発現を網羅的に解析し、いずれにおいても発現が著増する遺伝子としてドパミン受容体D1を同定し、同受容体(D1R)が心不全時の致死的不整脈に寄与していることを明らかとした。しかし、なぜ心不全時に心筋細胞D1Rの発現が増加するのか、また発現増加する心筋細胞の局在や特性は明らかとなっていない。本研究では、心不全時の心臓D1Rの発現制御機構と局在及び特性に着目することで、重症心不全のメカニズムの解明を目指す。本研究の成果は、心臓D1Rに関する新たな知見を加えるとともに、ドパミンシグナルを標的とした新規心不全治療法の開発に繋がると考える。
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研究実績の概要 |
申請者は先行研究において、圧負荷モデルマウス及びヒト心不全の心臓組織の遺伝子発現を網羅的に解析し、いずれの種の心臓組織においても発現が著増する遺伝子としてドパミン受容体D1を同定するとともに、同受容体(D1R)が心不全時の致死的不整脈の発症に寄与していることを明らかとした。また、D1Rの発現増加は先行研究の1細胞RNAシーケンスで示したように、すべての心筋細胞で生じているわけではなく、限局的な細胞で生じていることも明らかとなった。しかし、心不全時の心臓D1Rが増加するのか、また発現増加する心筋細胞がどのように局在するのか、またその特性については明らかとなっていない。本研究では、心不全時の心臓D1Rの発現制御機構と局在及び特性に着目することで、重症心不全のメカニズムの解明を目指している。 本研究では、心不全時のD1Rの発現を制御する因子について、不全心を用いたDrd1 promoter領域のモチーフ解析により同定したNuclear factor-kappa B(NF-kB)に着目するとともに、心不全時に誘導されNF-kB pathwayを活性化することが既に知られている小胞体ストレスに着目し、解析を進めていくこととした。 本年度に実施した研究により、申請者らが用いているin vivoの実験系において、実際に不全心でDrd1の発現上昇及び心不全の重症度に相関して小胞体ストレスが増加していることが確認されるとともに、同不全心においてNF-kB pathwayが活性化が生じていることが確認された。また、in vitroの実験系により、Drd1の発現増加にNF-kB pathwayの活性化が寄与していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不全心を用いたDrd1 promoter領域のモチーフ解析により、心不全時のD1Rの発現制御因子として着目していたNF-kB pathwayの活性化について実験的に検証することに成功しており、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究については、引き続き、D1Rの発現制御機構にかかる研究を進めてきた研究分担者らと連携して研究を推進していく。
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