研究課題/領域番号 |
21K08105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小林 成美 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (20379415)
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研究分担者 |
杜 隆嗣 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (50379418)
長尾 学 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70866029)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グルタミノリシス / 心筋代謝 / 心不全 / グルタミナーゼ1 / グルタミン / グルタミン分解 / 心肥大 / 心臓線維化 / 心筋代謝リモデリング / グルタミン代謝 / 心臓リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
心臓は絶え間なく収縮・弛緩を繰り返すことから、莫大なエネルギーを必要とするため、脂肪酸・糖を中心にアミノ酸やケトン体など、様々な基質をエネルギー源として利用している。病的心筋細胞では各基質の利用率が変化し、このような心筋細胞における“代謝リモデリング”が心不全の病態と深く関わっている。一方で、血中に最も豊富に存在するアミノ酸であるグルタミンの不全心筋における代謝動態、病態生理学的意義については十分に解明されていない。本研究では(1)不全心筋におけるグルタミン代謝制御機構を解明し、(2)代謝経路への介入による心不全治療への応用の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
グルタミノリシスはグルタミンをα-ケトグルタル酸として、TCA回路へ補充する代謝経路であり、がんに代表される様々な疾患に関与している。アンギオテンシンIIを投与したマウスの心臓組織やラット心筋細胞では、グルタミノリシスの律速酵素であるグルタミナーゼ1の発現が亢進しており、その阻害は心リモデリングを抑制することが明らかとなった。これは細胞の成長や増殖に用いられるグルタミン由来のアスパラギン酸、クエン酸の産生がグルタミナーゼ1の阻害により抑制されたためと考えた。本研究結果はグルタミン代謝経路が、心不全の新たな治療標的となる可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全は心血管疾患すべての終末像であり、心不全患者数は全世界的に増加の一途をたどっている。本邦においても2040年頃まで新規心不全患者の発症数は増加するとことが予測され、医療経済の観点でも大きな社会問題となっている。心不全治療薬の多くは、交感神経系や液性因子を標的としたもので、代謝経路を直接的な標的とした治療薬は存在しない。このような中、本研究ではグルタミン代謝経路に着目し、その阻害が心肥大や心臓線維化を抑制することを証明した。これは全く新しい知見であり、今後新たな心不全治療薬の創薬へと繋がる意義深い研究である。
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