研究課題/領域番号 |
21K08107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
笠原 真悟 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90233692)
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研究分担者 |
森田 瑞樹 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (00519316)
藤井 泰宏 岡山大学, 大学病院, 客員研究員 (40534673)
平井 健太 岡山大学, 大学病院, 助教 (50814224)
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
諸岡 健一 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (80323806)
坂野 紀子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80574813)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マラソン心事故 / 致死性不整脈 / 心電図モニタリング / AI解析 / ウエアラブルデバイス / 突然死予防 / 心電図 / AI / アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
昨今、健康意識の高まりから世界中でマラソン人口が増加しており、一定確立で起こる心 事故が問題となる。対策としては医療班およびAED(自動体外除細動機)の配置、事前の心スクリーニング等が行われているものの費用対効果を含め十分ではない。我々はこれまで新たな心事故予防法として、ウエアラブルデバイスを用いた心電モニタリングの可能性を示してきた。最終目標は心事故に繋がる致死性不整脈の予兆を感知しランナーにアラーミングすることである。そこで本研究では、最大の課題である予兆データの検証・アルゴリズム構築を行うため、大動物での不整脈誘発試験およびAIを駆使して目標に挑む。
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研究実績の概要 |
本研究では、マラソン心事故予防に向けた致死性不整脈の予知アルゴリズム構築に取り組んでいる。研究課題は大きく3つに分けられる。①ヒトでのマラソン時心電図取得、②ブタでの不整脈誘発試験、③各データの解析、AI処理である。2022年度の実績概要を以下である。 ①2022年11月12日開催のおかやまマラソンにて、新規デバイス(Xenoma社製)によるフルマラソン中の心電図計測を試みた(計40人:男性26人、女性14人)。雨天でのレースであったため、取得データにバラつきがあったものの、雨天対応型のセンサー開発(貼り付け法の工夫等)の課題が明らかとなった。Xenoma社と共同することで、通常の臨床用ホルター心電図解析グレードでの判定が可能となり、アルゴリズム構築に資する元データの抽出・ターゲティングが容易となった。さらに、昨年度に続きもう一報、フルマラソン時の心電図データをまとめた論文を報告した(Adv Biomed Eng. 2022; 11:151-161.)。 ②①を含めたマラソン時心電図データと、昨年度に実施したブタ致死性不整脈誘発試験のデータから、予兆を検出するアルゴリズム構築に取り組んだ(現在も継続中)。パターン認識から、波形の特徴量をクラスタリング表示するなど、これまでの心電図の自動解析アルゴリズムとは別のアプローチを試している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マラソン中の心事故予防につながる、致死性不整脈の予兆を検知し、ランナーにアラーミングするシステム構築には、2つの重要な開発要素がある。1つは、フルマラソン時に安定して心電図を記録できるデバイス(およびセンサー)、もう1つは新規アルゴリズム(予兆検出)である。1つ目の要素(安定した心電記録)に関しては、多くのフルマラソン時心電測定を実施し、そのノウハウや課題を蓄積できた。2つ目のアルゴリズム構築が最大の課題であるが、医学系以外のAI研究者と共同することで、新たな切り口で研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
最大の課題であるアルゴリズム構築のための基礎データはほぼ揃った(マラソン時心電図、ブタ致死性不整脈誘発データ)ため、引き続き解析に注力する。さらに、得られたアルゴリズムの妥当性を検証するための動物試験も計画している。
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