研究課題/領域番号 |
21K08112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
君島 勇輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00836702)
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研究分担者 |
三阪 智史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50793080)
池田 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90381392)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / JAK2V617F / クローン性造血 / ALK1 / ACVRL1 / 静脈血栓症 / JAK2 V617F / 心不全 / 好中球 / 肺動脈血管リモデリング / 血栓症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺高血圧症は肺動脈血管リモデリングを特徴とし、肺動脈周囲に浸潤・活性化した好中球などの炎症細胞がそのプロセスに重要な役割を果たす。骨髄-肺のダイナミックなネットワークにより、骨髄由来免疫細胞が骨髄から供給されてその病態形成に関与する。骨髄造血幹細胞から肺好中球に分化するダイナミズムにおいて、鍵となる分子を同定し、それを制御できれば新しい肺高血圧症のメカニズムとして期待できる。本研究では、血液細胞におけるACVRL1に着目し、骨髄球系血液細胞特異的ACVRL1ノックアウトマウスを作成して、好中球におけるACVRL1の意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
JAK2V617Fクローン性造血のマウスモデルを用い、低酸素誘発性肺高血圧症マウスモデルを作成し、JAK2V617Fクローン性造血マウスではより肺高血圧症の増悪を認めることを明らかにした。肺好中球分化へのダイナミズムの過程において、JAK2V617Fは、造血幹細胞から分化するに従って、ACVRL1遺伝子発現を増加させ、これがJAK2V617Fによる肺高血圧症増悪の機序であることが示唆された。また、JAK2V617Fクローン性造血を有する患者では、ACVRL1発現増加を認めることを見出し、肺高血圧症とJAK2V617Fおよび血栓形成におけるACVRL1の意義についてさらなる研究を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、肺高血圧症の病態に炎症細胞や炎症性サイトカインが重要な位置付けを占め、治療ターゲットとして注目されている。ある特定の分子を制御することで病態の改善に寄与することが期待され、肺高血圧症に対する分子標的薬の可能性が示唆されているが、いまだに臨床応用には至っていない。本研究では、JAK2V617F とACVRL1に注目し、肺動脈周囲肺好中球の肺動脈リモデリングにおける意義を明らかにした。これらを新規ターゲットとするとで、慢性血栓塞栓性肺高血圧症を含む肺高血圧症、および静脈血栓症の新規治療法となる可能性が示唆された。
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