研究課題/領域番号 |
21K08133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
杉村 宏一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60375079)
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研究分担者 |
後岡 広太郎 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (20598411)
黒住 献 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (40768735)
堀口 淳 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (70272242)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Oncocardiology / 乳癌 / 心毒性 / オミックス解析 / 画像診断 / リスクスコアモデル |
研究開始時の研究の概要 |
現在の乳がん治療におけるアドリアマイシン及びトラスツズマブ投与に関連する心臓合併症の問題点を克服するために、以下の研究を行う。①乳がん患者におけるアドリアマイシン及びトラスツズマブを含む化学療法による心毒性の評価を患者の基本情報や画像診断とゲノム・オミックス解析データを含めた東北大学データベースを継続して行っていくことに加え、国際医療福祉大学成田病院での新規登録を行っていく。②ゲノム・オミックス解析により心毒性のメカニズムを探索する。③フォローアップ症例の2年目以降の画像データを加え、長期的心機能評価とゲノム・オミックスデータからアドリアマイシン心筋症への発展メカニズムを探索する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では以下の研究を行った。①CHECKHEART BC研究(2018年5月~2020年3月31日 AMED管理番号:19ek0210084h0003)から心毒性の予測するための、心毒性発症に関するロジスティック回帰分析に基づいた発症リスクスコアモデルの作成を行った。「アントラサイクリン系抗がん剤の投与」、「トラスツズマブの投与」、「放射線治療」、「化学療法開始前の心拍数 64 bpmを超える」、「化学療法開始前の左室収縮末期容積 36.0 mL/m2を超える」、「三尖弁輪移動距離 26 mm未満」の化学療法開始前の変数6項目から構成されるリスクスコアモデル(model A)が構築され、さらに「化学療法開始前からの心拍数の変化量」、「化学療法開始3ヶ月後の左室収縮末期容積 42.0 mL/m2を超える」の化学療法開始3ヵ月後の変数2項目を加えたモデル(model B)では、予測能の改善を認めた[AUC 0.81(95%信頼区間:0.73-0.90),P<0.01]。②国際医療福祉大学成田病院における化学療法を受ける乳がん患者について、上記リスクスコアを使用し、前向きに心毒性の発生に関する調査を開始した。③CHECKHEART BC OMICS研究(2019年11月11日~2021年9月30日 AMED管理番号:20ck0106529h0002)におけるデータベースより33症例のオミックス解析から有意差のあるメタボローム19種の同定し、上位6つのsphingomyelin SM24:0 SM24:1 SM(C26:0)、SM(OH)C22:1、Cholesterol esterのCE(18:3)、phosphatidylcholine PCae(C38:1)に関して、各メタボロームの経時的な変化を合わせて心毒性のリスクになりうるのか検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年4月以降より国際医療福祉大学成田病院における化学療法を受ける乳がん患者について乳腺外科と循環器内科において心臓の画像診断を行っていく体制を確立してきており、研究を進めるための診療体制が構築されている。 CHECKHEART BC研究(2018年5月~2020年3月31日 AMED管理番号:19ek0210084h0003)と CHECKHEART BC OMICS研究(2019年11月11日~2021年9月30日 AMED管理番号:20ck0106529h0002)におけるデータベースが確立しており、そのデータから新たなリスクスコアモデルを確立し、現在英文誌へ投稿中である。 また、新たなデータも加わり解析可能な状態が整っている。また、すでにオミックスデータ、遺伝子データも解析が終了し結果も一部そろってきているため順調な進捗と考える。
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今後の研究の推進方策 |
オミックス解析で出てきた有意差を認めるメタボロームに関して経時的な変化を合わせて心毒性のリスクになりうるのか検討を行う予定である。また遺伝子データも合わせ、心不全のコホート研究であるCHART-2研究における約720名のゲノム・オミックス関連データと照らし合わせて関連解析を行い、化学療法による心毒性発症により関連するリスクマーカー候補を探索する予定である。
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