研究課題
基盤研究(C)
COPDの肺では、喫煙刺激により細胞老化がおきている。また、ウイルスや細菌感染により急性増悪の病態を示す。COPD急性増悪では、制御されたネクローシス(細胞膜の破壊により内容が外に漏出し強い炎症をおこす)がおきていることが考えられる。これらの細胞の運命(細胞老化、制御されたネクローシス)の機序をヒト検体やマウスモデルを用いて解明し、COPDの発症と憎悪に対するリスク診断・治療戦略の確立を目指す。
今年度の大半は新型コロナウイルス感染拡大のため、呼吸器症状を伴う呼吸器疾患領域の患者や検体による研究が制限された。このため、研究Aとして、秋田県におけるコロナ禍による肺がん検診の抑制の現状評価を検討した。また研究Bとして、喫煙刺激をした培養気道上皮細胞に対する炎症性サイトカインの細胞老化に対する影響を評価した。研究A:秋田県検診事業団のデータベースを用いて、2016-2019年の胸部X線検診検査、精密検査、肺がん診断(性・年齢別層別)の年間平均値を評価し、2020年の値との比較を行った。検診検査、精密検査、肺がん診断の年間平均件数は、2016-2019年の期間と2020年の期間で、特に高齢者(≧65歳)で大きく減少(50%以上)した。COVID-19のパンデミックにより、秋田県では特に高齢者の肺がん検診参加率が低下し、検診による肺がん診断が減少した可能性が示唆された。胸部X線検診の重要性を啓蒙することが必要である。研究B:ヒト培養気道上皮に1%CSEと各種炎症性サイトカイン(IL-1b、IL-8、IL1-3)を処理し、SA-b-Gal染色を行い陽性細胞%により細胞老化の程度を評価した。各種サイトカインによる細胞老化への影響を評価した。各サイトカインは3段階の濃度を振り、トリプリケイトにて行った。その結果、IL-1b刺激は細胞老化を濃度依存的に有意に亢進させたが、IL-8とIL-13では、一定の傾向は認められなかった。より多角的な細胞老化の系で評価する必要がある。
3: やや遅れている
今年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、呼吸器疾患領域の患者や検体を扱う、研究が制限された。このため、臨床検体の採取や臨床検査のよるデータ収集が施行できない場合が発生した。
新規の検体採取や患者の登録を行い、現状でも評価可能な症例や検体を用いてデータを纏めて行く。
すべて 2023 2022 2021
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
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