研究課題/領域番号 |
21K08175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山本 洋 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (00322131)
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研究分担者 |
上原 剛 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (80402121)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | IgG4 / IgG1 / 特発性間質性肺炎 / IgG4関連呼吸器疾患 / IgG4関連呼吸器疾患(IgG4-RRD) / 特発性間質性肺炎(IIPs) / 多中心性キャッスルマン病(MCD) / RNA scope |
研究開始時の研究の概要 |
IgG4関連呼吸器疾患(IgG4-RRD)は血清IgG4が高値で、胸部CTでリンパ路沿いに病変を呈し、肺組織にIgG4陽性細胞浸潤を認める予後良好の疾患である。血清IgG4が高値で肺組織にIgG4陽性細胞浸潤を認め、IgG4-RRDと異なった、進行性の線維化を伴う特発性間質性肺炎(IIPs)について明らかにする必要があると考えた。 本研究ではIIPsの共同データベースに登録された490例から肺未染標本を収集し、IgG4、IgG1陽性細胞浸潤の程度を評価し、各陽性細胞浸潤の実態と臨床的意義を検証する。さらに、RNA scopeを用いてIgG4-RRDと鑑別すべき疾患との病態の違いを検証する。
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研究実績の概要 |
我々はこれまでに、血清IgG4高値(>135mg/dL)で肺組織にIgG4陽性細胞浸潤(IgG4+>10/HPF、かつIgG4+/IgG+>40%)を認めた間質性肺炎の17例を解析し、IgG4-positive interstitial pneumonia (IP)として国際学会で報告し、ステロイド治療によってすりガラス陰影の改善はみられるが、多くの症例で網状影が残存、あるいは増悪し、急性増悪や死亡例もある疾患であることを英文誌に報告した。これまで報告されている予後良好なIgG4関連呼吸器疾患(IgG4-RRD)とは異なった新しい疾患カテゴリーである可能性を世界で初めて提唱し、IgG4-RRDとは異なった管理を行うことを推奨してきた。 さらに、IgG4-positive IPを、IgG4-RRDとして扱うのが適切かどうか、ACR/EULARの分類基準に照らして検討を行った。ステロイドに対する反応性不良からIgG4-RRDとして扱うのが適切でないと結論ずし、英文誌に掲載された。 また、本邦の特発性間質性肺炎(IIPs)の肺組織におけるIgG1、IgG4陽性細胞浸潤の臨床的意義について検討し、IgG4陽性細胞浸潤があるIIPs(>10/HPF)では、ないIIPs(≦10/HPF)と比較して予後良好の傾向があり、IgG1陽性細胞浸潤がある特発性肺線維症(IPF)(>30/HPF)では、ないIPF(≦30/HPF)と比較して有意に予後不良であることを見出した。国際学会で発表した後、本年度は英文誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は、血清IgG4高値(>135mg/dL)で肺組織にIgG4陽性細胞浸潤(IgG4+>10/HPF、かつIgG4+/IgG+>40%)を認めた間質性肺炎の17例を解析し、IgG4-positive IPと してERJ-OR誌に発表した。本年度はそれらIgG4-positive IPの症例に関して、ACR/EULARの分類基準に照らして検討を加え、ERJ-OR誌に掲載された。 また、本邦の特発性間質性肺炎(IIPs)の肺組織におけるIgG1、IgG4陽性細胞浸潤の臨床的意義についてSci Rep.誌に掲載された。 以上のような成果をあげることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
IgG4関連膵疾患ともいえる自己免疫性膵炎(AIP)症例の胸部CTを解析し、IgG4関連疾患の肺呼吸器病変として適切なのはどんな病変か解析を行う。
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