研究課題/領域番号 |
21K08176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
穗積 宏尚 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40771457)
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研究分担者 |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺線維症 / 低温誘導性RNA結合タンパク / ブレオマイシン / CIRBP / 線維芽細胞 / 特発性肺線維症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺線維症形成におけるCIRBPの役割を明らかにし,治療標的としての有用性を検討するため,次の研究を行う. 1.BLMモデルにおいて,野生型マウスとCIRBP欠損マウスの肺線維化の程度を比較する. 2.野生型マウスから単離した肺線維芽細胞とCIRBP欠損マウスから単離した肺線維芽細胞の増殖能や筋線維芽細胞への分化能,コラーゲン産生能を比較する. 3.肺線維芽細胞に対するCIRBP遺伝子ノックダウンの効果(増殖能,分化能,コラーゲン産生能)を評価する. 4.野生型マウスのBLM肺線維症モデルにおける,抗CIRBP中和抗体の治療効果を検討する.
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研究成果の概要 |
特発性肺線維症(IPF)は予後不良な疾患であり,新規治療の開発は喫緊の課題である.我々は低温誘導性RNA結合タンパク(CIRBP)がIPF患者肺で高発現し,予後不良と関連することを過去に報告した.本研究では,ブレオマイシン(BLM)モデルを用いて,CIRBPの肺線維症における役割を検討した.野生型と比較し,CIRBPノックアウトマウスではBLMによる肺線維症が軽減した.野生型マウスへのCIRBP阻害剤投与は,BLMによる肺線維症を軽減させ,CIRBPの阻害は肺線維症に対する有望な治療薬候補になりうることがわかった.今後,CIRBPの線維芽細胞におけるメカニズム解析をさらに進めていく予定である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性肺線維症(IPF)は,日常診療での遭遇頻度が高く,平均生存期間3~4年で呼吸不全死に至りうる,きわめて予後不良な疾患である.抗線維化薬であるピルフェニドンとニンテダニブが承認されており,それぞれ呼吸機能の悪化を遅らせる効果が証明されているが,生存期間を大幅に改善する治療法は確立していない.本研究の結果,CIRBPの阻害が肺線維症の有望な治療薬候補となりうることが明らかになった.本研究は,IPFを中心とした肺線維症の病態解明や治療薬開発に大きな貢献が期待できるだけでなく,その他の線維化性疾患に対する治療への応用も期待できる研究である.
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