研究課題/領域番号 |
21K08179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
市原 英基 岡山大学, 大学病院, 講師 (40549705)
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研究分担者 |
久保 寿夫 岡山大学, 大学病院, 助教 (90726928)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺癌 / 分子標的治療 / tolerance / SHP2 / RB / EGFR / ALK / ROS1 / CDK4/6 / 非小細胞肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌は、様々な遺伝子異常に対応した分子標的薬で著明に縮小するが、一部のがん細胞(drug tolerant細胞)が残存し後に薬剤耐性となるため根治に至らない.申請者らは、チロシンホスファターゼの一種であるSHP2を阻害するとtolerant細胞を抑制できる可能性を見出しており、本研究では様々なタイプの遺伝子異常を持つ肺がんでSHP2阻害によるtolerant細胞抑制効果を確認し、SHP2の重要性を明らかにする.研究の方法として、患者腫瘍組織移植モデル(PDXモデル)を用い、1) SHP2阻害薬による腫瘍残存抑制効果の確認、2) SHP2を介したtolerant細胞残存メカニズムの解明を行う.
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研究成果の概要 |
肺がん分子標的治療に対するtoleranceにおけるSHP2の役割を明らかとした.ALK・ROS1・EGFR遺伝子異常を有する各肺がん細胞株を用いた.各分子標的治療薬暴露下に残存しtoleranceを示すがん細胞は、SHP2阻害により著しく阻害されることを細胞株モデルおよび皮下腫瘍マウスモデルを用いて示した.さらにSHP2は細胞周期関連因子RB活性を維持しており、分子標的治療下の細胞周期を維持しtoleranceを誘導することを示した.分子標的治療薬暴露下にSHP2を阻害するとRB活性が強力に抑制された.細胞周期関連因子CDK4/6を阻害するとSHP2阻害と同様にtoleranceを阻害した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により肺がん分子標的治療における薬剤toleranceにおいてSHP2が重要な役割を果たすことが明らかとなった.SHP2を標的とすることで、肺がん分子標的治療においてこれまで困難とされていた根治的効果を持つ治療開発につながる可能性がある.
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