研究課題/領域番号 |
21K08180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
平野 綱彦 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00382333)
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研究分担者 |
松永 和人 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20347602)
堂西 倫弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70326354)
高橋 隼 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10508021)
大石 景士 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60771409)
角川 智之 山口大学, 医学部, 教授(特命) (90570953)
石田 卓也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10549728)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フレイル / 海馬 / 基本チェックリスト / COPD / 身体活動 / 脳構造 / 脳内ネットワーク / 認知機能障害 / 身体非活動 / GDF-15 / MCR |
研究開始時の研究の概要 |
COPDの予後規定因子である身体非活動と認知機能障害は併存病態(MCR)と呼ばれるが、その機序や標的は明らかでない。申請者らは非活動に伴い産生されるマイオカインの一つであるGDF-15によりMCRが検出可能なこと、及び独自に開発した脳全体の神経回路のネットワーク関係によってMCRに関連する脳内の責任部位が同定可能なこと、を各々システム作成し解明してきた。そこで本研究ではこれらのシステムを統合してMCRの病態にてGDF-15がどの脳内ネットワーク形成と関連するかという関係性を分子・生理学的な視点から把握・定量化する手法を確立し患者個別のパターンにあわせたMCRの客観的な評価・治療法を開発する。
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研究実績の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるフレイルティでは、認知機能障害を引き起こすことがある。特に、認知機能に重要な海馬の体積減少は、認知能力の低下を示すものであるが、神経画像技術の専門性と難易度の高さから、これらの問題が臨床現場で見過ごされがちである。この悪循環を断ち切るためには、本病態を特定するシンプルかつ効果的なスクリーニングツールの開発が必要である。本研究は、フレイルティ評価質問票が特に海馬の体積減少に焦点を当てたCOPD患者の脳フレイルティを検出する一助となるかを探求するものである。具体的に、COPD患者における海馬萎縮の非侵襲的診断ツールとしての基本チェックリスト(KCL)の診断的有用性を評価することを目的とした。COPD患者40名と健康な成人20名を対象に、KCLを用いて7つの構造的領域にわたるフレイル状態を評価した。T1強調MRI画像から海馬の体積を測定し、ROC分析を実施してKLCによる海馬萎縮の弁別能力について検討を行った。その結果、COPD患者は健康な被験者に比べて左海馬の体積が有意に小さく萎縮していることが示された(p < 0.05)。KCLのサブドメインの中で、日常生活の器具使用及び社会的活動(KCL 1-20)と左海馬体積との単変量相関係数が最も大きかった(ρ = -0.54、p < 0.0005)。また、KCL(1-25)およびKCL(1-20)は、左海馬体積の最低25%に属する個人を特定するための診断的有用性(それぞれの特異性93%、感度90%)を示し、AUCは0.82であった。 結論:日常生活の脆弱性に焦点を当てたフレイルティアセスメントツールであるKCLは、COPD患者における海馬萎縮を効果的に検出することができることが示唆された。
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