研究課題/領域番号 |
21K08186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
中込 一之 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60401113)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 気管支喘息 / ライノウィルス / COVID19 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、気管支喘息の増悪におけるウィルス感染の役割について、特にライノウィルス(RV)感染とSARS-CoV-2感染(COVID19)を中心に研究し、その機序を考慮した治療戦略を立案することが目的である。以前、我々はRV-Cの受容体であるCDHR3が好酸球を直接活性化させることを報告した。本研究では、SARS-CoV-2の受容体であるACE2およびTMPRSS2の好酸球や好中球機能に対する影響を検討する予定である。さらに治療戦略の立案を目的として、副鼻腔上皮細胞を使用したRV-A/B/Cに対する抗ウィルスサイトカインや薬剤の効果や、IFN-α/β/λのマウス喘息モデルに対する効果を検討したい
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研究実績の概要 |
緒言: 喘息はコントロール良好な疾患となったが、喘息増悪は今でもしばしば見られ、増悪の予防及び治療法の確立は重要と考えられる。重症喘息では「治療下でもしばしば増悪」するが、その過程で好酸球性炎症と好中球性炎症が連動し、治療抵抗性を獲得する。今までに、好酸球性炎症のバイオマーカーとされているペリオスチンが好酸球のエフェクター機能を直接活性化させることを報告した。今年度は、ペリオスチンが、好中球機能を直接活性化させるかについて検討した。 方法: 健常人の末梢血好中球を使用した。好中球は、デキストラン及びPercoll液で分離した。好中球をペリオスチンでcoatしたplateとincubateし、好中球の活性酸素産生を、チトクロームC還元法により測定した。 結果: ペリオスリンは、好中球の活性酸素の産生を誘導した。この反応は抗αM integrin抗体及び抗β2 integrin抗体の前処置で抑制された。 考察: 今研究からは、ペリオスチンが好酸球機能を活性化させるだけでなく、好中球機能を直接活性化させることが明らかとなった。重症喘息では好酸球性炎症と好中球性炎症が連動し、治療抵抗性を獲得することが知られており、ペリオスチンによる好中球機能の活性化が喘息の重症化に寄与する可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の研究実績だけでなく、現在以下のプロジェクトが進行中であり、特に②はCOVID19の影響もあり、研究全体では遅れている。 ①ACE2, TMPRSS2またはORMDL3の好酸球・好中球機能に対する影響 ②ALIシステムを用いたRV-A/B/C に対する抗ウィルスサイトカインや薬剤の効果 ③IFN-α/β/λのマウス喘息モデルに対する効果
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今後の研究の推進方策 |
①ACE2, TMPRSS2またはORMDL3の好酸球・好中球機能に対する影響; ACE2, TMPRSS2またはORMDL3が好酸球または好中球機能を直接活性化するかにつき、現在予備実験を行っている ②ALIシステムを用いたRV-A/B/C に対する抗ウィルスサイトカインや薬剤の効果 現在ALIシステムの立ち上げ中である。RV-A、B、C を使用し、RV に効果が期待される薬剤(マクロライド系抗生剤、気管支拡張薬など)の治療効果の違いを調べることで、種特異的な治療法を検討する ④IFN-α/β/λのマウス喘息モデルに対する効果 IFN-λのマウス喘息モデルに対する効果を検討し、IFN-α/IFN-βの作用と比較検討する。抗炎症作用を示す場合は、臨床応用も念頭に置き、より良い投与経路やその作用機序を検討する
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