研究課題/領域番号 |
21K08191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
瀧川 奈義夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60325107)
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研究分担者 |
越智 宣昭 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80611615)
山根 弘路 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50624897)
中西 秀和 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50309548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | EGFR / ALK / 薬剤耐性 / 代謝 / プロテオーム / メタボローム / トランスクリプトーム / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
種々のEGFR遺伝子変異を有する細胞を用いて変異別の代謝経路を同定する。次に、EGFR-TKI感受性細胞と耐性細胞のシングルセル解析を行い、メタボローム解析結果を統合し耐性を誘導する代謝酵素や代謝産物を同定する。最後に、それらを阻害する薬剤を用いてin vitroとin vivoにおける有効性を評価する。
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研究成果の概要 |
種々のEGFR遺伝子変異細胞株をマルチオミクス解析で比較し、それぞれのEGFR変異に特異的な治療戦略の基盤となる蛋白、遺伝子、および代謝経路を見出した。EGFR阻害薬耐性においてはグルタミン酸輸送に関与する遺伝子が高発現し、その阻害薬あるいはグルタミナーゼ阻害薬による耐性克服の可能性が示唆された。EGFR阻害薬の曝露により免疫関連シグナルやDNA代謝過程の変化が認められた。また、ALK阻害薬耐性においては活性酸素を分解する酵素が高発現しており、この酵素の阻害により耐性克服の可能性が示唆された。これらの代謝特性を含む新たな知見が分子標的薬の更なる治療効果に結ぶつくことが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EGFR変異あるいはALK変異を有する進行非小細胞肺癌は、EGFRあるいはALKのチロシンキナーゼ阻害薬の導入により劇的な効果がもたらされてきたが、治癒に至ることは極めて稀である。EGFR変異の違いによる阻害薬の効果の差や耐性を誘導する機序は不明の部分が多く、それを解明する手法としてプロテオーム解析、トランスクリプトーム解析、メタボローム解析、およびシングルセル解析を用いて基礎研究を行った。その結果、グルタチオン、グルタミン、および活性酸素の分解酵素などの新たな標的を発見し、耐性克服のためにそれら阻害薬の有用性を前臨床試験として証明することができた。今後は臨床応用すべく本研究をさらに進めたい。
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