研究課題/領域番号 |
21K08194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
木田 博 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター, 呼吸器内科部長 (80512988)
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研究分担者 |
福島 清春 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (00752156)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | MGIT-seq / NALC-seq / Mycobacterium gordonae / 新種 / マクロライド耐性 / MLST / 非結核性抗酸菌 / 菌種同定 / 薬剤感受性 / 亜種 / ツカムレラ / 肺非結核性抗酸菌症 / MLST法 / 迅速診断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、大阪大学微生物病研究所遺伝情報実験センター感染症メタゲノム研究分野、中村らと共同で、メタゲノム解析による肺非結核性抗酸菌症の迅速かつ網羅的診断システム“刀根山モデル”の開発を開始し、喀痰採取より3時間以内に175種のNTM菌同定を目指し、最適化を進める研究である。さらにこの手法を用いて、臨床検査における同定不能菌の新規同定を行い肺非結核性抗酸菌疫学の実態を明らかにするとともに、臨床的難治症例(治療失敗、再発)における問題点も明らかにする。
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研究実績の概要 |
昨年度我々は、肺非結核性抗酸菌(NTM)症患者の喀痰検体より分離培養したNTM菌の菌種同定(亜種レベル)及び薬剤感受性検査の精緻化・簡略化を同時実現するMIGT-seq法の臨床現場における有用性を実証する前向き研究の結果を報告した。 本年度我々は、同前向き研究に参加した患者コホートより分離した菌株中、3つの菌株がMycobacterium gordonae cladeに属する2つの新種に属する菌であることを見出した。我々は2つの新種をMycobacterium novusgordonae、Mycobacterium shingordonaeと命名した(論文投稿中)。 また、同前向き研究に参加した患者コホートについて、既に1年以上の経過観察期間が経過している。我々はこの間に起こった菌株変化、それに影響を与えた臨床因子について現在MGIT-seq法を用いて解析を進めている。 MIGT-seq法はMGIT培地で喀痰検体より分離培養したNTM菌株よりDNAを抽出し解析に用いるが、患者さんから採取した喀痰検体より直接抽出したDNAを用いて、その中に潜むNTM菌を同定できれば、検査に要する時間を大幅に短縮できるだけでなく、抗酸菌培養によるバイアスの影響を避けることができる。我々は患者さんから採取した喀痰より直接抽出したDNAをtarget capture法を用いて濃縮することによって(NALC-seq法)、このことを可能にした(論文投稿中)。 マクロライド耐性は肺MAC症の予後を悪化させる重要な菌側因子である。我々は、多くの患者さんにおいて、獲得されたマクロライド耐性が時間経過により消失し再感受性化することを見出し、再感受性化に影響する臨床因子、菌側の再感受性化メカニズムについて検討した(論文投稿中)。
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