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セリン代謝変動を切り口とした肺高血圧症の理解と新規治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K08198
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53030:呼吸器内科学関連
研究機関筑波技術大学

研究代表者

酒井 俊  筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30282362)

研究分担者 丸山 秀和  筑波大学, 医学医療系, 講師 (30528493)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード肺高血圧症 / メタボローム解析 / セリン代謝
研究開始時の研究の概要

メタボローム解析により得られた代謝産物の変動を切り口として、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の病態をアミノ酸代謝の面から考察し、新規治療に対する探索的研究(①~③)を行う。①複数のPAHモデルで肺組織中セリンの蓄積があり、セリン合成酵素PHGDH遺伝子の発現増加が関与すること、②血管平滑筋特異的PHGDH破壊マウスでのPAH発症の軽減、③セリン合成抑制の併用は既存PAH治療薬単独より病態改善の上乗せ効果があることの証明。以上の研究により、PAH病態促進へのセリン合成亢進の関与が証明され、肺動脈特異的なセリン合成抑制が新規の治療標的になると期待される。

研究実績の概要

肺動脈性肺高血圧症は、肺動脈血管内皮細胞および肺動脈血管平滑筋細胞の増殖による肺動脈壁肥厚・血管閉塞を本態とし、肺血管抵抗・肺動脈圧上昇による右心不全を呈する難治性疾患である。本研究では、代謝産物の変動を切り口として、肺動脈性肺高血圧症の病態をアミノ酸代謝の面から考察し、新規の治療標的に対する探索的研究を行うことである。本年度は、肺高血圧モデルの肺組織において、セリンの蓄積があり、セリン合成酵素PHGDH(ホスホグリセリ ン酸デヒドロ ゲナーゼ)遺伝子の発現増加が関与することを証明することであった。C57BL6マウスを酸素濃度10%の低酸素下において、3週間飼育した。血行動態測定後、対照群である室内気で同期間飼育したマウスに比べ、低酸素下飼育マウスの右室収縮期圧は有意に増加し、右室-左室重量比も有意に増加し、マウスは肺高血圧を呈 していることが明らかとなった。凍結保存した肺組織をメタボローム解析により代謝産物を測定したところ、総アミノ酸濃度の変化はないが、肺高血圧モデル肺ではセリン濃度が増加し、代謝下流のグリシン濃度の減少が認められ、セリン蓄積に傾いていることが明らかになった。そしてセリン合成酵素のうちPHGDH遺伝 子発現が有意に増加していることを、リアルタイムPCRにより定量確認した。以上より、低酸素誘発性肺高血圧モデルの肺では、セリン蓄積が生じ、その際、セリン合成が亢進していることが示唆された。これらの結果は、肺高血圧症の肺ではアミノ酸代謝の変動が生じており、セリン合成が亢進していることが推察された。セリン蓄積が肺高血圧症の病態形成にどの様に関与するのか解明することが望まれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

病気療養のため研究の一時的停止期間があり、そのために進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

これまでは、複数の肺高血圧モデルでも同時解析を進めることを予定していたが、想定以上の時間がかかることが判明した。そのため、現在の低酸素誘発性肺高血圧マウスモデルを中心に解析を進める。肺検体においてセリン濃度を高値であることを示し、肺高血圧症では代謝変動があることを確認する。そののち、セリン合成酵素PHGDH遺伝子の発現が増加している事を確認する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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