研究課題/領域番号 |
21K08202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阪本 考司 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00635633)
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研究分担者 |
芳川 豊史 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00452334)
若原 恵子 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00631433)
橋本 直純 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30378020)
猪股 弥生 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (90469792)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 肺線維症 / 急性増悪 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症(IPF)は中高年に発症する進行性難治性の肺疾患である。急性増悪はIPF患者の約4割に突然発症する死亡率の高い合併症であるが、原因が分かっておらず発症の予測や治療法の開発が進んでいない。我々は最近、IPF患者さんの体液中のミトコンドリアDNAの増加が急性増悪の発症を予測しうることを発見した。これにヒントを得た本研究は、急性増悪発症のメカニズムとして肺に存在するマクロファージの異常活性化とミトコンドリアの代謝異常が関与していると仮定して、新たに急性増悪の動物モデルを作成し治療標的と診断法の開発を目指します。
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研究実績の概要 |
特発性肺線維症(IPF)において、死亡率の高い合併症である急性増悪(AE)の発症誘因として、大気中の微小粒子状物質への曝露と、マクロファージの異常活性化が指摘されている。線維化肺において粉塵曝露などを誘因にミトコンドリアDNA(mtDNA)をはじめとするダメージ関連分子(DAMP)の放出が活性化マクロファージを誘導しAEの素因となるとの仮説に基づき、「肺線維症急性増悪における肺内ミトコンドリアDAMP増加と自然免疫経路の関与の解明」を目的として実験を進めている。2022年度は下記の研究項目に取り組んだ。
1)昨年度に確立したデジタルPCRを活用したmtDNA測定系を活用して、ヒトIPF由来の肺胞洗浄液(BALF)におけるmtDNAおよびゲノムDNAのコピー数変化の絶対測定を行った。BALF中のmtDNA濃度とIPF患者の肺機能や喫煙歴との有意な相関関係を見出した。更にBALF中のmtDNA上昇は患者の予後と相関した。またこの関係はBALF中のゲノム由来DNAには見られなかった。肺胞中で増加するDAMPであるmtDNAはIPF病態進行への寄与が示唆された。 2)マウス肺線維症モデルにおけるマクロファージ活性化の解析を行った。mtDNAはIPF患者の肺組織・血液中に増加するDMAPsである。mtDNAは複数のパターン認識受容体を通じて免疫反応を惹起するが、このうちcGAS-STING経路に着目して肺線維症における活性化を評価した。ブレオマイシン誘導肺線維症モデルマウスの肺組織ではSTING発現上昇を認めた。また肺胞洗浄により回収した肺線維症マウス肺由来マクロファージはSTINGを高発現していた。 3)マクロファージにおけるmtDNAの催炎症性の検討を行った。マウスより骨髄マクロファージを初代培養して種々の条件でmtDNAに曝露し、惹起される免疫反応と細胞の表現型変化を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
STING欠損マウスの繁殖とモデルの確立なども次年度に向けて進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにヒト肺線維症およびブレオマイシン誘導マウス肺線維症モデルにおいてmtDNAの上昇やSTING経路の活性化を確認することが出来た。 次年度は肺胞内で増加するmtDNA濃度上昇が病態形成にどのように影響するのか、またその分子機序と治療標的を検討するため、1)正常マウスおよび肺線維症モデルマウスの肺内にmtDNAを注入し惹起される免疫反応や肺傷害の評価を行う。またこの経路にSTING経路がどのように影響するかKOマウスに同様の実験を行い評価したい。またモデルマウスよりマクロファージを分離培養しpm2.5やmtDNAの曝露を行い惹起される反応の際を評価する。シグナル阻害薬を投与して惹起される免疫反応の際が見られた際にはマウスモデルにおける治療効果の評価にまで進めていきたい。
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