研究課題/領域番号 |
21K08204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐藤 正大 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80530899)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 線維細胞 / fibrocyte / 細胞外基質 / miR-21-5p / miR-21 / 間質性肺炎 / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症は進行性の肺機能低下を特徴とする難病指定疾患であり、新たな治療標的の発見は急務である。線維細胞はその新たな治療標的候補として注目されているが、その線維化促進作用には不明な点が多い。申請者らは予備実験の結果、線維化組織における異常な細胞外基質(ECM)の構築が、線維細胞の線維化促進性マイクロRNA (miRNA) 発現を変化させる可能性を見出した。よって本研究は、線維化肺組織におけるECMが、線維細胞のmiRNA発現を変化させて更なる線維化進行に寄与するという仮説を立て、その制御による新たな治療戦略の開発を目的としている。
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研究実績の概要 |
マイクロRNA (miRNA)は細胞間情報伝達に関わる重要な傍分泌因子の一つとされている。 本検討において、線維細胞の分泌する線維化促進性miRNAについて検討したところ、TGF-β1過剰発現肺線維症モデルラットとブレオマイシン誘発肺線維症モデルラットの、いずれの肺組織から単離した線維細胞においても、健常なラット肺由来の線維細胞と比較してmiR-21-5pの発現が増加していることが見出された。 研究代表者が検討を進めた結果、線維細胞は線維化肺組織内で構築された異常な細胞外基質(ECM)の影響を受けて、miR-21-5pの発現量を変化させていること、さらに線維細胞はmiR-21-5pを内包した細胞外小胞体の分泌を介して、周囲の線維芽細胞に線維化促進効果を与えていることが見出された。 次に、線維化ECM中のmiR-21-5pの発現に関わる特定の成分の有無について検討した結果、肺ECM成分の一つであるヒアルロン酸が線維細胞上のCD44を介してmiR-21-5p発現を調節していることが見出された。 以上の解析結果を臨床病態生理学に応用する試みとして、ヒト気管支肺胞洗浄液から線維細胞を単離し、そのmiR-21-5p発現を解析した。線維性間質性肺炎患者(IPFおよびfibrotic NSIP)から採取した線維細胞におけるmiR-21-5p発現は、他のタイプの間質性肺炎(cellularNSIP、器質化肺炎、サルコイドーシス)から採取した線維細胞よりも有意に高かった。 本研究で得られたこれらの知見は、肺線維症における異常なECMが、線維細胞からの線維化促進性miRNAを誘導することにより、線維化を自己促進していることを示唆している。
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