研究課題/領域番号 |
21K08208
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田所 友美 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20507644)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 上皮間葉相互作用 / 気道上皮幹細胞 / 気道軟骨 / 気道平滑筋 / 気道上皮 / 軟骨 / 平滑筋 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類における呼吸器系は、細菌やウィルスを取り除き空気を運ぶ気道と酸素を取り込む肺胞に分かれる。気道の内側は気道上皮細胞に覆われており、異物を捉える粘液を分泌する分泌細胞と異物を排出する繊毛細胞、気道上皮幹細胞である基底細胞が存在する。気道の外側は軟骨と平滑筋が組み合わさり、管の強度を保つと同時に管の太さを調節可能な構造になっている。本研究においては、気道上皮細胞による気道軟骨・平滑筋の増殖分化制御機構を明らかにする。この仕組みが明らかになると、将来的に、気管軟化症などで見られる軟骨の強度低下や、喘息などで見られる平滑筋量の増加または収縮制御異常などの治療につながると考えられる。
|
研究成果の概要 |
気道組織は軟骨と平滑筋が組み合わさり、管の強度を保つと同時に管の太さを調節可能である。我々は気道の発生や維持機構に気道上皮幹細胞のヘテロジェネイティが果たす役割を示唆した(Tadokoro et al., Biol Open, 2021)。この知見を元に、Mstnが気道上皮で欠失するマウス(cKO)を作製し、気道軟骨や気道平滑筋形成に対する影響について検討を行った。その結果、MstnのcKOマウスにおいて気道軟骨の形成不全が認められ、Cリング間の距離が有意に増加した。また、平滑筋の幅に有意な増加が認められた。以上より、上皮-間葉相互作用による気道形成メカニズムの一端を明らかにすることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により気道上皮細胞からのシグナルによる気道軟骨/気道平滑筋の分化調節メカニズムの一部について明らかにすることができた。気管間葉系の維持機構の破綻は、気管軟化症などで見られる軟骨の強度低下や、喘息などで見られる平滑筋量の増加または平滑筋の収縮制御異常などが挙げられ、気道の適切な構造が保てずに気管の狭窄が生じる。本研究の成果を活かすことにより、将来的に上記病態の改善や気道の再構成の実現が期待される。
|