研究課題/領域番号 |
21K08209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 信之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60298966)
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研究分担者 |
洪 泰浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80426519)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 分子標的治療 / 個別化医療 / 肺癌 / 肺がん / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
難治がんである肺がんにおいては、治療成績改善が喫緊の課題となっている。EGFR阻害剤等の分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤の登場により治療成績は向上しているが、長期生存や治癒へ向けてさらなる病態の解明及びより高度な個別化医療の推進が必要である。肺がんの治療成績の向上において、AXLを標的とする治療開発及びAXLをマーカーとする診断法開発の意義は大きいと考える。本研究申請においてはAXL発現の診断においてリキッドバイオプシーによる非侵襲的な診断法の確立及びAXLを標的とする新規治療戦略を探索し、肺がん患者の長期生存を実現するためのがん個別化医療推進への基盤確立を目指す。
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研究成果の概要 |
CTCの測定デバイスとして用いるマイクロ流路セルソーターの前臨床評価を実施し、平均回収率は61%であった。特殊保存管を用いた場合の経時的回収率についても60%以上の回収率であることを確認できた。現在、臨床評価のためのAXL染色を確立中である。回収した細胞を用いての次世代シーケンスでの遺伝子変異検出について検討を行った。微小組織検体を用いたオルガノイド培養に取り組み、オルガノイド培養が可能であることを確認した。樹立したオルガノイドについては、次世代シーケンスを実施し、臨床検査におけるデータとの一致を認めた。現在はCTCを用いてのオルガノイド培養の実施を継続している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CTCの臨床的意義については数多くの報告があるが、AXL発現陽性CTCのゲノム及び分子生物学的特徴の解明は十分になされていない。これらを明らかにすることで、肺がんにおけるリキッドバイオプシーとしての新たな診断法確立や新規の治療戦略、そして創薬につながる可能性がある。本研究開発においてはAXL陽性CTCの機能、臨床意義のより詳細な研究のため、CTC由来オルガノイド細胞株の樹立に取り組んだ。従来は明らかでなかったAXL陽性CTCの特徴を分子生物学的レベルで解明することにつながるとともに、創薬ツールとして利用することで、CTCを利用した診断法、治療戦略及び薬剤開発への橋渡しとなる可能性がある。
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