研究課題/領域番号 |
21K08217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
水谷 泰嘉 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10546229)
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研究分担者 |
稲田 健一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70246081)
鈴木 元 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80236017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PD-L1 / YBX1 / 肺がん / YB1 / 免疫チェックポイント / mRNA安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がんの免疫逃避に関わる蛋白質PD-L1の発現におけるYB1の機能を明らかにする。この研究をとおして、肺がんにおけるPD-L1阻害療法の治療効果予測マーカーの開発と治療効果の向上をめざす。おもにPD-L1 mRNAの安定性に注目してYB1の作用を解析する。そして、YB1発現を人為的に制御した肺がん細胞株を移植したマウスを用いて、YB1発現変化にともなうPD-L1阻害薬の抗腫瘍効果を検証する。さらに、肺がん病理検体におけるYB1とPD-L1発現の相関性やYB1発現とPD-L1阻害療法の治療効果との相関性を解析して、PD-L1阻害療法の効果予測マーカーとしてのYB1の有用性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、PD-L1(Programmed death 1 ligand 1)の発現制御におけるYBX1(Y box binding protein 1)の機能を明らかにすることである。これまでに、肺がん細胞株においてYBX1がPD-L1 mRNAの安定性を低下させることを明らかにしている。前年度の検証により、YBXによるPD-L1 mRNA不安定化には、intron retentionとは異なる機構が作用していることが考えられた。そこで、PD-L1 mRNAの3’-UTRを介したmRNA安定性におけるYBXの寄与を検証するために、3’-UTRをクローニングしてYBX1ノックダウン下でluciferase assayを行ったが、YBX1がPD-L1 mRNAの3’-UTRを介してmRNAを不安定化することを示す結果は得られなかった。そこで本年度は、3'RACE(Rapid amplification of cDNA ends)法を用いて、肺がん細胞株について、YBX1ノックダウン下におけるPD-L1 mRNAの3'-UTRの構造変化を、コントロール細胞と比較した。その結果、アガロースゲル電気泳動において、0.6kbpのプロダクトを主体とする複数のバンドが確認された。しかし、YBX1ノックダウン細胞とコントロール細胞の間に、泳動パターンの違いは認められなかった。0.6kbpのバンドについて、シーケンスを確認したところ、各クローンでPD-L1の3’UTRと相同な配列を検出した。しかし、コントロール細胞とYBX1ノックダウン細胞の間に特徴的な塩基配列の違いは認められなかった。以上の結果から、YBX1は今回検出されたPD-L1 mRNA 3'-UTRの領域を介して、mRNAの安定化に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
YBX1のPD-L1 mRNAの転写への影響を否定するデータおよびPD-L1 mRNAの安定化へ寄与を示すデータを得ていることから、YBX1のPD-L1 mRNAの安定化機構への影響の解明に着目して研究を進めている。この機構の解明に想定よりも時間がかかっている。mRNA安定化の機序として、YBX1によるintron retentionの促進や3'-UTRの構造変化、3'-UTRへの相互作用を介した不安定化が想定された。しかし現在のところ、YBX1がこれら想定された機構を介してPD-L1 mRNAの安定性に影響することを示す結果は得られていない。以上の理由から、研究の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、YBX1によるPD-L1 mRNAの安定化機構への影響の解明に着目して研究を進める。RNA immunoprecipitationによるPD-L1 mRNAの3'-UTR領域とYBX1蛋白質との相互作用を検証する。また、肺がん手術材料の病理組織標本について、PD-L1とYBX1の免疫染色により、両分子の発現パターンを比較して、PD-L1とYBX1の発現が逆相関するかどうかを調べる予定である。
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