研究課題/領域番号 |
21K08234
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
下澤 達雄 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (90231365)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 高血圧 / ナトリウム / 間欠的低酸素 / ミトコンドリア / 食塩 / エネルギー代謝 / 腎臓 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
食塩感受性高血圧症は予後不良の病態である。それゆえ、食塩感受性高血圧の発症予防方法の検討が必要である。我々は腎臓のナトリウム―クロール共輸送体(NCC)の異常が食塩感受性高血圧に関与し、その異常がエピゲノム変化、酸化ストレス増大によることを報告した。しかし、臨床的には遠位尿細管での酸化ストレス増大メカニズムは不明である。本研究では遠位尿細管においてはミトコンドリアを用いたエネルギー代謝が盛んであることに着目し、遠位尿細管のミトコンドリア機能が、不適切な酸化ストレスの産生とそれに伴うNCCの活性化与える影響を検証する。本研究成果は食塩感受性高血圧の発症予防の新たなアプローチの開発に寄与する。
|
研究実績の概要 |
細胞はNCCを発現しているmDCTを用いて検討した。 通常培養条件(20%酸素、糖 5.5mM)と5%低酸素培養、糖尿病患者尿糖に近い培養液中糖濃度100mMおよびその浸透圧コントロールで0.5, 1, 6, 12時間培養し、細胞外フラックスアナライザーXFpを用いてミトコンドリア呼吸機能を測定した。また、解糖系についても同様にフラックスアナライザーにて測定した。ミトコンドリア由来酸化ストレスはMitoSOXを用い、内部標準としてMito-Trackerを用いて蛍光顕微鏡で蛍光強度を測定した。 また、細胞実験の妥当性を検討するために低酸素負荷はC57B5j並びにNCC欠損マウスを用い我々がすでに確立している間歇的低酸素負荷 (FiO2 20%-5% 90秒サイクル、8時間/日)を用いて腎臓でのNCCリン酸化および血圧変動をテレメトリーを用いて検討した。 間歇的低酸素刺激で腎臓の膜分画NCCが増加した。 血圧日内変動を検討したところ間歇的低酸素刺激ではマウス睡眠中の血圧が低下せず血圧日内変動が認められなかった。NCC欠損マウスを用いたところ、日内変動は維持された。 低酸素状態でNCCのリン酸化が亢進し、高糖状態でNCCのリン酸化が抑制されることが示された。NCCの転写には変化がないことをRT-PCRにて確認した。またミトコンドリア特異性SOD様物質のMito-TEMPOを用いたところNCCリン酸化が抑制された。一方、糖負荷ではNCCのリン酸化はむしろ抑制された。
|