研究課題/領域番号 |
21K08237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
角田 隆俊 東海大学, 医学部, 教授 (50276854)
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研究分担者 |
金井 厳太 東海大学, 医学部, 講師 (00535221)
澤田 佳一郎 東海大学, 医学部, 客員講師 (10420952)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 二次性副甲状腺機能亢進症 / 脂肪分化 |
研究開始時の研究の概要 |
人工透析の適応症である二次性副甲状腺機能亢進症では副甲状腺の肥大と副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌増加により骨や心血管系の異常を引き起こします。これまでの調査で、約74%の患者の摘出副甲状腺周囲の脂肪組織中に脂肪細胞とは異なるPTH分泌細胞のコロニーが多数見つかっています。この異所性PTH分泌細胞の由来を明らかにするためにヒト副甲状腺組織を腎不全ラットの甲状腺被膜下へ移植したところ、移植した副甲状腺細胞が脂肪細胞に分化することを発見しました。本研究では、副甲状腺と脂肪組織の関係を明らかにするために、副甲状腺細胞の脂肪分化の機序を明らかにして、副甲状腺機能亢進症の治療に役立てることを目指します。
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研究成果の概要 |
二次性副甲状腺機能亢進症による副甲状腺の過形成は、進行すると腺の周囲に大量の脂肪を蓄積して炎症等を引き起こし予後不良の原因となる。この脂肪の由来と蓄積の機序はほとんど不明であったが、私たちは腺に付着する脂肪組織の中に副甲状腺ホルモンを産生する細胞コロニーが多数散在していることを見出した。これより、過形成が進行し最終的に単一の大きな結節が腺全体を占め、周囲に厚い被膜を形成する過程で、被膜外に押し出された小結節やびまん性領域の細胞が脂肪細胞へ分化転換した可能性が考えられた。実際に、摘出されたヒト副甲状腺の小片を免疫不全ラットの甲状腺へ移植すると移植片は脂肪に分化し、この仮説が支持された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)は慢性腎不全の過程で進行する、血中のカルシウムやリン、ビタミンDの濃度調整不良に反応した適応症として発症し、副甲状腺細胞の増殖と過形成、副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰な産生と分泌を特徴とする。進行したSHPTは高カルシウム血症や高リン血症を促進させ、透析患者の予後に関わる異所性石灰化や血管硬化症を誘発する。また、腺の周囲に大量の脂肪を蓄積して炎症等を引き起こし予後不良の原因となる。本研究では、これまでほとんど知られていなかった、過形成腺周囲の脂肪組織の由来や蓄積の機序を検討した。その成果は、SHPTの発症の予防や治療に寄与すると考えられる。
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