研究課題/領域番号 |
21K08238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
坪井 伸夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40408422)
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研究分担者 |
清水 章 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00256942)
春原 浩太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20827034)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ネフロン / ポドサイト / 単一ネフロンGFR / 単一ネフロンパラメーター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、非造影CT腎立体像と腎生検標本を組み合わせた方法を用いて、3,000例以上の腎疾患患者の総ネフロン数(/腎)を計測する。本法によって、これまで剖検解析に依存してきたヒトネフロン数の計測が初めて臨床応用される。また、ネフロン数および単一ネフロン指標をもとに、高リスク群をより高い精度で早期に同定する腎予後予測モデルの構築を目指す。本研究の成果によって、積極的介入を要する対象がこれまでよりも明確となり、腎障害の進展および腎不全発症を効果的に抑制することが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、進行性腎疾患患者を対象として計測したネフロン数・単一ネフロンパラメータと臨床病理像・長期腎予後との関連を明らかにし、実臨床における有 用性を確立することを目的とする。これまでに、我々が独自に考案した新規法を用いて、肥満関連糸球体症(ORG)48例及び、ステロイド感受性微小変化型ネフ ローゼ75例の総ネフロン数、SNGFRとSNUPEを計測し報告した。これらの研究により、ORG, MCDにおけるネフロン数、単一ネフロンパラメータのそれぞれの病態に おける意義について報告した。その後、IgA腎症患者245例, 膜性腎症患者106例を対象とした同様の解析を進めてきた。IgA腎症患者ではネフロン数がCKD病期の 進行により著しく減少すること、また、IgA腎症の多彩な糸球体病変によって単一ネフロンパラメーターが影響を受けることなどを初めて明らかにし報告した(Marumoto H, Tsuboi N et al. Kidney 360, 2021)。 膜性腎症の解析では、本疾患の特徴である基底膜病変病期の進行につれて単一ネフロンGFRが低下することを初めて示し報告した(Okabayashi Y, Tsuboi N et al. Kidney 360 in press)。これは、本疾患 の動物モデルであるHymann腎症モデルにおけるマイクロパンクチャー法を用いた検討結果に合致する。現在、糖尿病性腎症患者80例ほどの対象について、ネフ ロン数、単一ネフロンパラメーターの解析を進めている。さらに、上記各種疾患群において、糸球体ポドサイト数と体積を計測(ポドメトリクス解析)を進め、ORG患者における解析データを学会報告に向けて準備をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で掲げた研究内容を実施するにあたり必要な方法論は確立しており、各種進行性腎疾患患者の臨床病理検体を用いた解析も着実に症例数を増し、結果が 出ている。研究遂行にあたり何ら障壁になるような事象もなく、本研究計画は概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画はこれまで、概ね順調に進展していると考えられ、これまで同様にネフロン数計測、単一ネフロンパラメーターの推算と臨床病理相関に関する検討を 進めていく。また、研究対象病理検体を用いて、ポドメトリクス計測を進める。今後、単一ネフロンパラメーターとポドメトリクスを付け合わせ、構造機能相関 研究へと発展させる予定である。
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