研究課題/領域番号 |
21K08247
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
高木 陽子 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (70813517)
|
研究分担者 |
小林 靖子 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (60451720)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 微小変化型ネフローゼ症候群 / ノンコーディングRNA / nc886 / ポドサイト |
研究開始時の研究の概要 |
微小変化型ネフローゼ症候群では、Tリンパ球が産生する液性因子が糸球体上皮細胞の機能異常を誘発し蛋白尿を惹起するとされてきたが、この因子はいまだ同定されていない。申請者らは、母アレルインプリント遺伝子であるノンコーディングRNA886(nc886)遺伝子 が高度にメチル化されている個体が患者群で有意に多く、父アレル由来と考えられる発現は患者再発時で有意に低下していることを見出した。本研究では、血球細胞での変化が、同じく中胚葉発生である糸球体上皮細胞の機能異常にどのように関与するか探索するため、nc886の発現変化による糸球体上皮細胞の機能的変化を検討し、病因の一端や新規治療の可能性に迫る。
|
研究実績の概要 |
昨年度までに、健常ヒトポドサイト細胞株におけるnc886遺伝子領域のDNAメチル化率の解析と、健常ヒトポドサイト細胞株における感染モデルとNSモデルでの nc886の発現解析を行った。 今年度は、nc886が蛋白尿発現するポドサイト機能にどのように関与しているか検討するために、Poly(I:C)を用いた感染モデル、患者検体を用いたNSモデル、nc886ノックダウンポドサイトにおいて、蛋白尿発現時のポドサイト形態の特徴を示すかについての検討を開始した。感染モデルにおいて、ファロイジンの蛍光染色を用い、アクチンストレスファイバーの変化を検討したところ、Poly(I:C)刺激1時間後に、アクチン重合の減少を認めた。 次に、nc886ノックダウンポドサイトにおいて同様の検討を行うために、siRNAを用いてnc886ノックダウンポドサイト細胞株の作成を試みた。siRNA導入後にRt-PCR法を用いてnc886発現を確認したが、未分化増殖期のポドサイト細胞株では有意なnc886の発現低下が得られなかった。そこで、HEK293T細胞におけるnc886ノックダウンを試みたところ、nc886発現低下を得られた。また、nc886が機能的にノックダウンされているか確認するために、nc886発限低下によりPKR活性が進むことから、Western blotting法を用いて、PKR活性を測定した。siRNAを導入したHEK293T細胞では、negative controlと比較してPKRが活性化していた。現在、再現性があるか検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト健常ポドサイト細胞株でnc886ノックダウンがうまくゆかなかったため時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
nc886ノックダウンHEK293T細胞の作成が確立されたら、ノックダウン細胞におけるアクチンストレスファイバーの変化を検討する。その時点で、これまでのデータと併せて論文作成に着手する。 一方で、HEK293T細胞におけるアクチンストレスファイバーの変化が確認されたら、細胞骨格リモデリングに関与するシグナル伝達である、pVASPやRho GTPaseの変化を検討する。同じく、ポドサイト細胞株でもCRISPR-Cas9を用いたnc886ノックアウトポドサイトの作成を行い、同様の検討を進める。
|