研究課題/領域番号 |
21K08252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
糟野 健司 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60455243)
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研究分担者 |
岩野 正之 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (20275324)
高橋 直生 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (30377460)
三上 大輔 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (90464586)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 急性腎障害 / レドックス破綻 / バイオマーカー / 細胞周期G2/M期停止 |
研究開始時の研究の概要 |
急性腎障害は酸化ストレスなどの多くの病態が関連しているが、詳細な病態が解明されていないことから、予後改善に有用な診断法や治療法は存在しない。研究代表者は、酸化ストレスによる急性腎障害に於いて尿細管細胞内レドックス制御因子Thioredoxinが細胞外の尿中に排泄され、細胞内で枯渇し、急性腎障害が起こり、逆にThioredoxinを過剰発現させたマウスでは急性腎障害が抑制されることを発見してきた。本研究では急性腎障害がThioredoxinの標的タンパク質であるADAM17やCdc25Cに及ぼす影響を調べることにより、急性腎障害の診断法と治療法を開発するための基盤病態を解明する。
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研究成果の概要 |
AKIの重症度とその後のCKDへの移行に関連したTXNタンパク質の腎発現を調べるため、我々は軽度と重度のAKIモデルマウスを作成した。重症のAKIマウスは軽症のAKIマウスに比べて腎尿細管細胞におけるTXNの枯渇が長く続いた。さらに、TXNの枯渇により、酸化還元依存性の細胞周期制御因子Cdc25Cが不活性化され、G2/M細胞周期の停止が起こった。重症AKIのTXNトランスジェニックマウスは重症AKIの野生型マウスと比較して、尿細管内TXNの枯渇は、Cdc25Cの不活性化、γH2AXの増加、p53発現の増加、ATMリン酸化の増加、ゲノムの不安定性、AKIからCKDへの移行を抑制することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重症のAKIでは尿細管内TXNの枯渇によりCdc25Cの不活化に加えてゲノム不安定性が遷延して、γH2AXが増加し、p53の発現量が増加し、ATMのリン酸化が増加し、AKIからCKDへの移行を促進することが示唆された。TXNの過剰発現はCdc25Cの不活化、ゲノム不安定性、γH2AX増加、p53の増加、ATMのリン酸化を抑制し、G2/M細胞周期停止を解除してAKIからCKDへの移行を阻止できることがわかった。TXN誘導剤はG2/M細胞周期停止を解除してAKIからCKDへの移行を阻止する新規薬剤になる可能性が示唆された。
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