研究課題/領域番号 |
21K08258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
濱野 高行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50403077)
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研究分担者 |
村島 美穂 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40771837)
安部 賀央里 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (70440625)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 低Na血症 / 電解質異常 / AKI / 尿細管 / 化学療法 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍腎臓内科では癌患者の急性腎障害(AKI)と電解質異常が二つの柱となる。当腎臓内科では各種の電解質異常を電子カルテシステムで検知し、当科に自動的に連絡が来るシステムを作った。本研究では、(1)癌患者の電解質異常、特に低Na血症とSIADHの疫学と臨床的特徴、Fanconi症候群の疫学・責任分子、治療に対する反応を尿細管機能に注目して(難治症例では腎生検をおこない)研究する。 また各電解質異常とQOLドメインとの関連を評価する。(2) AKIを起こしやすい抗癌剤を同定した上で、 薬学部との共同研究で機械学習を活用して薬剤性AKIの新規発症リスク因子を明らかにし、AKI発症予測モデルを開発する。
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研究実績の概要 |
2018年1月1日から2020年9月30日までに当院で化学療法を受けた悪性腫瘍患者を対象とした後ろ向きコホート研究を行った。Na値が130 mEq/L以下を示した場合に低Na血症の発症とした。悪性腫瘍治療中の患者における低ナトリウム血症の発症率が約25%と極めて高いこと、低ナトリウム血症の原因としては、腎からのNa喪失によるものが多いことがわかった。Mixed-effects logistic regression modelに加え、薬学部との共同研究で機械学習による低ナトリウム血症の予測モデルも作成した。具体的には、説明変数には、検査値や抗癌剤、悪性腫瘍の種類、併用薬の有無など電子カルテから得られる68個の特徴量を用いた。全データの80%を用いて、モデルの構築を行い、20%を検証用データとした。Lightgbmを用いて次回の検査時の低Na血症の発症の有無を判別するモデルを構築した。構築した機械学習モデルの感度は0.766、特異度は0.724、ROC-AUCは0.820となった。AUCが0.8を超えており、予測性能が高いことが示された。Mixed-effects logistic regression modelにおいても、機械学習モデルにおいても、これまで低ナトリウム血症の原因となると言われてきたビンカアルカロイド系、プラチナ系の抗癌剤に加えて、ボルテゾミブ、免疫チェックポイント阻害剤が、低ナトリウム血症と有意に関連していることが明らかになった。これらのデータをまとめて論文化し、現在投稿中でrevise中である。 前向きコホート研究においては、13名の患者を登録しデータを収集している。うち、2名が、通常の治療では治療困難なSIADHであり、トルバプタンを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
後ろ向きコホート研究については、論文投稿中、revise中であり、ほぼ計画通り研究を進めることができた。一方で、前向きコホートについては、症例の登録が思うように進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
電解質バスターズ名市大モデルは一定の成果をあげ、低Na血症の紹介患者は明らかに上昇した。しかし、さらに増やすために、電解質バスターズ改を2023年から立ち上げた。具体的には、電解質バスターズの血清Na濃度についてのアラート設定を125未満から127mEq/L未満に引き上げるとともに、悪性腫瘍治療にかかわる各科の医師に低ナトリウム血症の患者を積極的に紹介いただくようお願いした。血液内科のカンファレンスで、研究についてのプレゼンテーションを行わせていただき、耳鼻科、泌尿器科よりは研究の概略についての説明の要請があったため、説明資料を作成し、協力をお願いした。その結果この2-3か月低ナトリウム血症による紹介が増加しており、登録症例数も増えてきている。今後、多くの担癌患者の治療をおこなっている共同研究施設の追加(具体的には名古屋市立大学附属西部医療センター)も検討している。
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