研究課題/領域番号 |
21K08261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 (2022) 国際医療福祉大学 (2021) |
研究代表者 |
アリフ・ウル ハサン 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00570368)
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研究分担者 |
丸茂 丈史 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (70265817)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NAD合成 / エピジェネティクス / 急性腎障害 / 糖尿病性腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は死亡率が高いうえ、慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)の原因になる。しかし、AKIの成立メカニズムには不明な部分が多く残されており、解明すれば新たな治療標的になる。最近AKIへのNAD合成系低下の関与が示され低酸素がNAD系の合成を阻害することが明らかになったが、その調節機構はいまだ不明である。申請者らはNAD合成系へのエピジェネティクス機構の関与を検討する。
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研究実績の概要 |
申請者は、培養ヒト尿細管上皮細胞で、低酸素モデルである低酸素分圧下および低酸素状態誘導物質CoCl2存在下で、NAD合成酵素の発現を解析した。HDAC阻害薬が、低酸素によるNAD合成酵素とNAD生合成系酵素発現の減少を回復させることを見出した。 糖尿病による腎障害に対してNAD合成はどのように変更するかを調べるため、ヒト尿細管上皮細胞でグルコースを使いNAD合成を測った。その結果、NAD合成はなサルベージ経路に加えて、Preiss-Handler経路も腎臓細胞で活性であることを発見した。遺伝子操作と化学阻害剤を使用して、ヒストンのメチル化の増加や減少がこれらのNAD 合成経路に関わることが示唆された。また、糖尿病による腎障害の進展へのエピジェネティクス機構の関与を調べるために、癌細胞株を使用して、BETタンパク質とアセチル化されたヒストンがこの現象にかかわれていることを観察した。現在、Preiss-Handler経路よるNAD合成に関する特定ヒストンのメチルの分子を明らかにするために研究を進めている。 一方、糖尿病性腎症はCKDの主な原因である。糖尿病性腎症モデルである高ブドウ糖濃度誘発ではヒストンのメチル化により、NAD合成酵素の減少も見出したが、その分子機構はまだ完全には解明されていなかった。本年度は、この所見をさらに発展させるためにマウスにグルコース飲料を摂取させた結果、予想通り、体重は有意に増加し代謝異常も現れた。そして、グルコースがアポトーシス経路を弱めることを発見した。これらのサンプルにおける腎機能、NAD合成酵素の変化と遺伝子発現の調節不全の程度を調査するために追加の実験を進めている。現在、このグルコースとNAD合成酵素やアポトーシスの経路が糖尿病による腎機能異常に関連するかどうかについて研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
去年4月から職場を変わったので、新しいところで実験の再開するには少し時間がかかった。しかし、現在順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の提案どおり、遺伝子操作と化学阻害剤を使用した実験を行い、分子機構の一部を明らかにしたが、依然として解明されていない部分も多く残されている。 たとえば、ヒストンとBETタンパク質が、細胞培養モデルにおけるNAD合成におけるグルコース誘導性の変化に関与していることを検出した。 ただし、特定の分子については調査する必要があるので現在、細胞株を用いた実験を続けている。具体的に、低酸素モデル(AKI)で変化しているヒストンアセチル化の分子であるHDAC(1から8);そして、グルコースモデル(糖尿病)で変化しているヒストンメチル化の分子であるKDM(1から8)のそれぞれの阻害薬やsiRNAの効果を調べている。現在、これらのモデルでNAD合成酵素の発現・クロマチン構造をChIP、リアルタイムPCR、western blot、レポーター遺伝子アッセイなどを用いてNAD合成系酵素の異常成立の分子機構を解析している。 残りの助成金は、マウスモデルを使用した追加の実験を行うために使用する。このモデルとしてC57BL6マウスに腎臓虚血を惹起し(J Am Soc Nephrol 2008)、NAD合成酵素のクロマチン構造と発現変化を解析する。さらに、HDAC阻害薬ならびに細胞実験で判明したNAD合成系に作用する薬物の効果を検討する。一方、糖尿病db/dbマウスを使いヒストンのメチル化と糖尿病性腎症に関してNAD合成系に作用する薬物の効果を検討する。
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