研究課題/領域番号 |
21K08273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
此下 忠志 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40270954)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レニン-アンジオテンシン系 / アンジオテンシンIV受容体 / LNPEP / 遺伝子多型 / 高血圧 / 慢性腎臓病 / 糖尿病 / 妊娠高血圧腎症(子癇前症) / 高血圧学 / レニン-アンジオテンシン系 / アンジオテンシン受容体 / AT4 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は網羅的発現遺伝子解析等から高血圧、腎、内分泌代謝、妊娠病態に関連が想定されるAT4を抽出した。これに対するモノクローナル抗体を作成し、感度20pg/mlである高感度測定法を独自に開発しえた。実際の測定で、生活習慣病や遺伝子型により血漿濃度に有意差を認めた。これにより、疾患の診断・病状評価に加えて、心不全、透析導入など重症臓器障害(ハードエンドポイント)の発症予測や妊娠時の各種病態の解析にも役立つ可能性が大いに出てきた。そこで申請者の数十年にわたる前向きコホートを活用し、より多数例に対し各種ハードエンドポイントやさらなるAT4関連疾患に対する新規バイオマーカーとしての有用性を確立する。
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研究実績の概要 |
これまで腎組織の網羅的発現解析から、高血圧/糖尿病に特異的な遺伝子、アンジオテンシンIV受容体(AT4)を抽出した。この分子はレニン-アンジオテンシン系の構成要素であると同時に、インスリン調節性アミノペプチダーゼ(IRAP)と同一分子であり糖代謝にも関与する。即ち血圧異常と代謝障害とを繋ぐKey Moleculeである可能性が示唆される。そこで可溶成分に対しポリクローナル抗体で感度1.0μg/mlの測定系を確立し、生活習慣病のバイオマーカーとなることが期待された(科研費C、平成22~24年)。次にモノクローナル抗体による改善を図り、感度20 pg/mlの高感度測定系を独自開発した(科研費C、平成25~27年)。さらに同遺伝子多型を解析し、症例対照研究で、血漿濃度は、肥満者、CKD症例で有意に低値となった。またAT4の1遺伝子多型により濃度差のあることが判明し、測定系の正当性が裏打ちされるとともにAT4濃度は遺伝子型の中間表現型となり得るという重要な可能性が出てきた(科研費C、平成29~令和元年)。 今回、AT4(遺伝子型と血漿濃度)が前向き評価により心血管病、透析導入、死亡などとの相関を解析し、さらに内分泌疾患や妊娠関係病態と相関を解析する。これによりバイオマーカーとしての意義と有用性を一層高める。 2年目は予定通り、1)対象・試料の収集とデータベースのさらなる整備。2)ほぼ方法の確立している測定系に対するロット間ばらつきの調整、希釈限界の適正化の継続。3)対象を従来の高血圧、CKD、糖尿病等から内分泌系疾患や妊娠関連病態へ広げつつの測定推進の遂行。4)遺伝子多型の解析の適正化等を実施し得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り2年度目として、対象・試料の収集とデータベースのさらなる整備を実施した。前年度と同様の濃度測定、遺伝子多型解析を行い、対象症例数を増やしつつ、疾患病態における意義の解析を行った。「中間的な結果の分析とまとめ」を行い研究方針の微修正等を実施し得た。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り3年度目として、対象・試料の収集とデータベースのさらなる整備を継続しつつ、前年度、前々年度と同様に濃度測定、遺伝子多型解析を進める。また対象症例数をさらに増やしつつ、疾患病態における意義の解析を一層進める。最終的なまとめから学会発表、論文作成を進める。
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