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腸内細菌のANCA関連腎炎への免疫学的関与の解明と病態制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K08287
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関昭和大学

研究代表者

久野 芳裕  昭和大学, 医学部, 講師 (20718639)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワードANCA関連腎炎 / 腸内細菌叢 / 制御性T細胞 / NETs / 腸内細菌
研究開始時の研究の概要

抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連腎炎の病態形成において、好中球細胞外トラップ(NETs)制御異常の密接な関与が明らかとなってきた。また近年の研究から、半月体形成性腎炎において腸管由来炎症性免疫細胞の腎への遊走が確認され、腎炎病態形成と腸管免疫の関連が示唆されるが、その免疫学的な腸腎連関について十分な解明には至っていない。
本研究は、ANCA関連腎炎における抑制性免疫応答の動態に注目し、腸管環境への介入による制御性腸管免疫誘導が、炎症性免疫反応の抑制やNETs-ANCA産生の悪循環の抑制に与える影響を明らかにする。

研究実績の概要

本研究は、MPO-ANCA(Myeloperoxidase Anti-neutrophil Cytoplasmic Antibody)関連腎炎モデルマウスを作製し、一部の腸内細菌に誘導される制御性T細胞(Treg)をはじめとする抗炎症性免疫応答の、腎炎の病勢に与える保護的な影響について検討することを目的としている。
MPO-ANCA関連腎炎モデルマウス作製法は前年度に報告した方法と同様であるが、この方法による初回作製では試験紙法で尿潜血陽性、腎病理においてメサンギウム細胞の増殖・基質の増加、一部の糸球体で半月体形成を確認できた。しかしその後同様に数回の試行では、疾患モデルマウスとして安定して実験に使用できる程度に腎障害を発症できていない。そこで、MPO-ANCA関連腎炎モデルマウスの作製と並行して、急性期腎障害モデルとして広く使用されているシスプラチン腎症を用いて実験を進めた。
先行論文を参考にシスプラチンを25㎎/㎏用量で腹腔内投与し、投与後72時間で安楽死させ腎症の発症を確認したところ、すべての個体で尿蛋白・潜血が有意に陽性となり、血清Cr値も上昇した。しかし、体重減少が大きいことから再度投与量を調整し実験を行い、20mg/kgが適正量と判断した。今後はGFマウスでも同様の用量で発症するか確認し、本実験計画の急性腎障害疾患モデルマウスとして使用することとなる。
また、制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)の誘導について、マウス盲腸内容物をクロロホルム処理しTregを誘導する菌群(一部のClostridium属)の分離に取り組んでいた。しかし、先行論文のように目的とする特定の菌群のみの分離ができず、単菌の経口投与でもHelios陰性Tregを誘導すると報告されているB.thetaiotaomicronを導入し、Treg誘導ができるかを試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

計画当初予定していた、ANCA関連腎炎モデルマウスの作製と末梢性Tregを誘導するとされる細菌群の分離について、先行論文に従い実験を行ったが難渋しており、他の疾患モデルで再考する状況となっていることが一番の要因である。
また、無菌マウスの繁殖にも難渋していることも大きな要因となっている。これまでBalb/cではある程度順調に妊娠・出産し個体数の維持が可能であったが、今回実験に用いているC57BL/6Nの繁殖はBALB/cと比較しかなり困難で、出産しても育児放棄や食殺が目立ち、個体数が維持できない状況である。菌を経口投与したノトバイオート群は、その環境下で妊娠・出産して得られた次世代の個体を使用する必要があり、出産等・育児がスムーズに進まないと実験自体も行えないことが問題となっている。

今後の研究の推進方策

ANCA関連腎炎モデルマウスの作製はこれまで同様行っていく一方で、シスプラチン腎症がGFマウスでもSPFマウスと同じ投与量で同じ程度の病勢で安定して発症させられるかの確認を行っていく。
また、繁殖用の親個体数を増やす、ストレス緩和のためのホワイトスティックを使用するなどを行いGFマウスの繁殖に注力し、B.thetaiotaomicronによるノトバイオートマウスの、実験可能な程度の個体数の確保を行い、当初の計画に従い進めていきたいと考えている。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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