研究課題/領域番号 |
21K08291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 恭彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60402632)
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研究分担者 |
石本 卓嗣 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00534835)
水野 正司 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20303638)
武井 佳史 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (70362233)
畑山 直之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80534792)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Glycocalyx / 糸球体内皮細胞 / 蛋白尿 / ヒアルロン酸 / 妊娠高血圧症候群 / TMA / ヒアルロニダーゼ / 抗VEGF抗体 / 腹膜透析 / 腹膜透過性 |
研究開始時の研究の概要 |
内皮細胞Glycocalyxに着目し『内皮細胞障害をきたす腎臓病』『腹膜透析に見られる腹膜機能障害』の病態解析・改善を目指して、新規治療戦略を確立する。 近年、内皮細胞障害を伴う『腎臓病』が増えているが、治療法は確立されていない。ex vivoシステムで糸球体内皮細胞Glycocalyx構成成分を消化しタンパク尿発現を検討、消化した成分の補充を行い標的物質を同定し、in vivoでさらに検討する。 『腹膜機能障害』のプロジェクトでは、腹膜透過性における血管内皮細胞のintegrityの問題を提起する。腹膜血管内皮細胞Glycocalyx構成成分を消化、補充し、腹膜透過性を検討し意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、『内皮細胞Glycocalyxをターゲットとした腎疾患の新たな治療戦略の確立』を目的として進めている。タンパク尿発現における糸球体内皮細胞Glycocalyxの役割、とくに構成成分であるヒアルロン酸(HA)の役割を解明することを目的としex vivo、in vivoにおいて検討した。HAの消化酵素であるヒアルロニダーゼ(Hya)をラット単離腎に還流するex vivoシステムを確立し、蛋白尿が発現することを見出した。さらに、マウスにHyaを全身投与するin vivoにおいて糸球体HA消失、血中HA上昇とともに蛋白尿の発現を確認した。これらより糸球体内皮細胞Glycocalyxの構成成分であるヒアルロン酸は、正常糸球体より内皮細胞由来の蛋白尿が漏出することを抑える働きがあることを明らかにしPhysiol Rep 2021に報告した。 これらの結果より、血中ヒアルロン酸測定が糸球体内皮細胞障害のバイオマーカーになる可能性を考え検討を進めている。妊娠高血圧症候群/妊娠中毒における蛋白尿発現に内皮細胞Glycocalyxの構成成分であるヒアルロン酸が深く関与し、バイオマーカーになる可能性を報告した(Physiol Rep 2021, Pregnancy Hypertens 2023)。また、膠原病領域におけるthrombotic microangiopathy (TMA)における内皮細胞障害においても血中ヒアルロン酸は病態を反映することを明らかにした。全身性エリテマトーデスに合併したTMA病態を把握することができることを症例レベルではあるが示し、今後本マーカーが治療強化、治療継続、治療休薬の指標になる可能性を明らかにすることができ報告した(Front Med. 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の成果を論文化し、Physiol Rep. 9(17):e15019, 2021, Pregnancy Hypertens. 2023 Feb 17;32:1-6, Front Med. 2023; 9:1097528 に報告している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、血中ヒアルロン酸が抗腫瘍薬として広く用いられている抗VEGF抗体によるTMAの病態における意義についても検討を進めている。腹膜透析の腹膜透過性においても内皮細胞Glycocalyxのヒアルロン酸は、大きい役割を果たしてきていることを明らかにしてきている。
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