研究課題/領域番号 |
21K08309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
ニヨンサバ フランソワ 順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (60365640)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / オートファジー / アトピー性皮膚炎 / バリア機能 / ケラチノサイト / 皮膚感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎では、抗菌ペプチド発現制御異常と皮膚バリア機能の破綻が認められる。申請者は、アトピー性皮膚炎モデルマウスの皮膚でオートファジー抑制という対照的な現象も確認したことから、抗菌ペプチドであるLL-37を介したオートファジーの活性化が皮膚バリア機能を高めるという未知の構図が示唆された。 そこで本研究では、この未知の構図の解明することにより、LL-37誘導性オートファジー制御が皮膚バリアを修復し、アトピー性皮膚炎の症状を改善するとの仮説を立証する。その成果は抗菌ペプチド誘導性オートファジー制御を介したアトピー性皮膚炎の新たな治療法となる。
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研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)の病態においては遺伝的要因や環境要因の関与が示唆されているが、その発症の推移の詳細は未だに解明されていない。 また、ADの十分に有効な治療法はまだ確立されていない。ADの皮膚では抗菌ペプチド発現制御異常と角質層/タイトジャンクション(TJ)バリア機能の破綻が認められるが、この問題に対して、私は抗菌ペプチドであるLL-37が皮膚TJバリア機能を向上することを発見した。オートファジーとADの関係を示すエビデンスの例として、ADで発現が低下する角化マーカーが、オートファジー欠損マウスにおいても同様に減少する。このように皮膚の恒常性維持やAD病態におけるオートファジーの重要性が示唆されているが、LL-37誘導性オートファジーと皮膚バリア機能との関連性、そして抗菌ペプチドとオートファジーの相互作用に係る報告がない。本研究では、「LL-37を介したオートファジー活性化による皮膚バリア機能の向上」という構図の解明を目的とする。 その結果、LL-37がヒトケラチノサイトにおいてオートファジーを促進することがわかった。また、LL-37によって活性化されたオートファジーは、P2X7受容体、AMPK/ULK1経路によって制御されることを確認した。さらに、LL-37はmTORやMAPK経路を介してオートファジーを制御していることも分かった。興味深いことに、オートファジーが欠損したケラチノサイトや、オートファジーの阻害剤で3次元培養皮膚モデルでは、LL-37によって増強していたTJ蛋白質の分布や皮膚バリア機能が抑制された。以上の結果から、LL-37がオートファジーを介して皮膚バリア機能を調節していると示唆された。本研究より、LL-37はオートファジーを促進することで、ADなどの皮膚バリア機能低下疾患に対する新規治療法へ応用できると期待される。本研究成果が学術雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和4年度の計画の④オートファジーがTJバリアを調節するメカニズムと⑤ADの特徴を持った角化細胞におけるオートファジー動態を明らかにし、さらに、⑦皮膚特異的オートファジー欠損ADマウスの作成が終了した。また、本研究成果が学術論文に掲載済み。このことから、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後は、①ADモデルマウスの皮膚バリア機能に対するLL-37の役割の解明、②ADモデルマウスにおける皮膚バリアおよび抗菌ペプチド発現へのオートファジーの影響と③ADマウスにおいてオートファジー制御治療の有効性を明らかにする。
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