研究課題/領域番号 |
21K08318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 卓 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50396496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メラノーマ / 腫瘍内免疫環境 / LL-37 / 腫瘍随伴性マクロファージ / 皮膚がん / 有棘細胞癌 / IL-17シグナル / 発癌・腫瘍進行 / 血管新生因子 / MMP-9 / 炎症性サイトカイン / LL37 / 局所浸潤 / 血管新生形式 / MMP9 / VEGF-C / 悪性黒色腫 / IL-17/LL37シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、IL-17/ LL37シグナルが悪性黒色腫の腫瘍の進行に与える影響を、腫瘍随伴性マクロファージ(Tumor-associated macrophages: TAMs)を中心に解析することを主な目的とする。この度我々は、1)黒色腫真皮内のmyeloid 細胞におけるLL37の発現が、黒色腫腫瘍環境に与える影響をマウス黒色腫モデルとヒト単球由来のM2マクロファージを用いて検討すること、2)現在、炎症性皮膚疾患で承認されている抗IL-17抗体や抗IL-23抗体が黒色腫の腫瘍免疫に与える影響を検証することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究で腫瘍内のLL-37は悪性黒色腫の腫瘍深達度に比例して陽性細胞比率が増加すること、腫瘍内のLL-37陽性細胞は血管内皮細胞およびマクロファージであり、さらにメラノーマ細胞周囲にもLL-37が豊富であることから、これらの細胞にLL-37が作用しうることを明らかにした。また、LL-37が腫瘍細胞自体の血管新生因子(MMP-9, CXCL5, IL-23p19)の産生を増強することをマウスB17F10モデルで明らかにし、その後、腫瘍血管新生を促進することを明らかにした。これら一連の結果は、欧州英文誌Cancersに2023年に掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではIL-17/ LL-37シグナルがメラノーマのみならず有棘細胞癌においても、腫瘍の進行に関与する因子であることを明らかにした。メラノーマの局所浸潤度(腫瘍の厚さ)はメラノーマ患者の生命予後に直接的に影響を与える重要因子であることから、本研究によりIL-17/ LL-37シグナルがメラノーマの予後に関わる重要因子であることが示唆された。抗IL-17抗体は、炎症性皮膚疾患で臨床現場で幅広い疾患に使用されていることから本研究が悪性黒色腫をはじめとする皮膚がん全般に与える影響は大きい。今後、臨床試験を開始、これら基礎データを還元することで本研究は増え続ける皮膚がんの治療に大きな影響を与える。
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