研究課題/領域番号 |
21K08333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
堀内 大 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30608906)
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研究分担者 |
村上 孝 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00326852)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 抗腫瘍免疫応答 / 細菌 / 腫瘍内微小環境 / 腫瘍免疫 / 感染免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性黒色腫の難治性の最大の要因として、腫瘍細胞の不均一性を生み出す腫瘍内嫌気的微小環境が挙げられる。嫌気環境下では、放射線治療も化学療法も十分な効果が発揮できない。一方、一部の嫌気性細菌は嫌気部位に能動的に集簇する性質を持つ。 本研究は、上述の嫌気性細菌の性質を利用して、嫌気的微小環境下の不均一な腫瘍細胞に細菌感染を引き起こし、感染免疫応答を引金として、不均一な細胞由来の多様な抗原を標的とした広範な免疫応答を引き出す。この過程を通じて、細菌感染腫瘍細胞の細胞変性の特徴と、感染腫瘍細胞に対する感染免疫応答から継発する抗腫瘍免疫応答の特徴を明らかとし、細菌を用いた悪性黒色腫治療の可能性を追求する。
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研究実績の概要 |
悪性黒色腫治療は代表的な難治性皮膚腫瘍であり、その難治性の最大の要因として嫌気的な腫瘍内環境がある。嫌気的な微小環境では、化学療法剤も放射線も十分な殺細胞効果は期待できない。しかし、嫌気性細菌は嫌気環境下でも殺細胞効果を発揮できる。本研究は通性嫌気性細菌であるサルモネラの嫌気部位集積性と感染免疫誘導を利用して、悪性黒色腫嫌気部位でのサルモネラ感染腫瘍細胞に対する免疫応答から、腫瘍細胞不均一性に基づく広スペクトルな抗腫瘍免疫の惹起を目指す。 我々はすでにin vitroにおいてほぼ全ての腫瘍細胞がサルモネラに感染する条件を決定し、その条件では感染細胞は特異な空胞変性を呈することを見出している。 昨年度までに、感染腫瘍細胞を接種したマウスで、悪性黒色腫細胞を特異的に傷害可能なキラーTリンパ球が誘導され、悪性黒色腫由来抗原特異的な免疫応答が惹起されることを確認している。また、in vitroでの感染腫瘍細胞の長期観察により、感染腫瘍細胞全てが細胞死に陥るのではなく、一部の変性細胞は特徴的な細胞形態の変化を伴いつつ、細胞周期をG1期に停止した状態で残存することがわかった。 2022年度は、感染腫瘍細胞接種により誘導できる抗腫瘍免疫応答について論文執筆を行いつつ、感染を耐過して残存する腫瘍細胞の解析を進めた。感染耐過腫瘍細胞は特徴的な免疫関連分子発現パターンを示し、免疫細胞には強く認識されるが、免疫細胞からの攻撃には耐性を示すことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主目的である、腫瘍細胞への細菌感染を起点とした抗腫瘍免疫応答の惹起については、それを裏付ける十分な実験結果・研究成果を得ることができた。 一方、研究開始当初は想定していなかった感染を耐過する腫瘍細胞の存在が確認され、この細胞を如何に排除するか、その道筋を得るべく当該細胞の形質を精査している。 以上の点を総合的に判断し、おおむね順調に進展していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
感染腫瘍細胞接種により誘導できる抗腫瘍免疫応答については論文執筆を進め、年度内の論文発表を目指す。 昨年度から新たに課題となった感染耐過腫瘍細胞については、その免疫学的排除を可能にするため、当該細胞の形質について、トランスクリプトーム解析や候補分子の遺伝子ノックアウトなど利用して解析を進める。免疫逃避形質の解析は、メラノーマ抗原GP100に加えて、必要に応じてOVAなどのモデル抗原を利用し、明確な結果が得られるよう工夫する。
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