研究課題/領域番号 |
21K08347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
下村 裕 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70397107)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 先天性毛髪疾患 / 脂質関連遺伝子 / LSS / lanosterol synthase / 乏毛症 / lanosterol / 脂質 / コレステロール |
研究開始時の研究の概要 |
まず、近年報告された先天性乏毛症の原因遺伝子であるlanosterol synthase (LSS)遺伝子に着目し、変異が発現・機能に及ぼす影響をin vitroおよびin vivoレベルで解明し、遺伝子型と臨床症状との相関関係について検討を行う。さらに、先天性毛髪疾患の発症に関与する新規の脂質関連遺伝子を同定し、発現・機能解析を行うことで、ヒトにおける脂質代謝系の毛包の発生・分化における役割や意義をさらに明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、野生型および6種類の変異型LSSの発現ベクター(G6D, R177Q, V487E, P549L, W581R, T705K)を培養細胞に過剰発現させ、過去の文献に記載されていた方法に従い、各LSS蛋白のラノステロール産生能を検討した。その結果、野生型に比べ、6種類の変異型LSS蛋白すべてでラノステロール産生能が有意に低下していた。また、変異型蛋白間で産生能に若干の違いは認められたが、統計学的な有意差はなかった。本結果は、単にラノステロール産生能の低下だけでは各変異による表現型の違いを説明することができないことを示唆しており、変異による他の機能異常にも着目する必要性があると考えらえた。さらに、本解析で用いたのはHEK293T(腎臓由来の細胞)であったことから、HaCaT細胞などの表皮角化細胞由来の細胞株を用いれば、より表現型を反映した結果が得られる可能性もある。 次に、2021年度にエクソーム解析で同定した脂質が関与する転写因子をコードする遺伝子のバリアントについて培養細胞レベルで検討を行い、同バリアントによる機能喪失を示す結果が得られた。すなわち、同遺伝子がコードする蛋白が核内に移行できず、転写因子として機能しない異常を呈することがわかった。さらに、バリアントが同定された患者の頭髪を光学顕微鏡および電子顕微鏡で詳細に観察した結果、毛髪は脆弱であり、毛髪中のケラチン線維の量が著しく少ないことがわかった。これは、同遺伝子が毛ケラチン蛋白や毛ケラチン関連蛋白の発現を調節している可能性を強く示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者の皮膚組織を用いての解析は遅れているものの、培養細胞レベルでの解析と新規の家系の試料を用いての解析は計画通りに実施できており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
培養細胞および患者の皮膚組織を用いて追加の発現・機能解析を実施し、遺伝子変異による機能異常をさらに明らかにする。また、脂質関連遺伝子に変異を有する可能性のある新規の家系の試料を保有しており、それらの試料を用いてエクソーム解析を実施し、原因遺伝子の同定と発現・機能解析を行うことで、脂質関連遺伝子の変異による先天性毛髪疾患の発症機構を明らかにする。
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