研究課題/領域番号 |
21K08359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
船坂 陽子 日本医科大学, 医学部, 教授 (30209150)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | エキシマレーザー / エキシマライト / DNA損傷 / 損傷DNA修復 / メラノサイト / アポトーシス / 遺伝子発現 / 色素細胞 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
1.尋常性白斑の脱色素斑の色素再生には紫外線療法が最も有効である。 2.近年エキシマレーザーがエキシマライトよりも色素再生に効果的であるとの臨床報告がある。 3.本研究では、エキシマレーザーの皮膚への光到達深度ならびに、メラノサイト及びメラノブラスト、メラノサイトの幹細胞の活性化機序を明らかにし、エキシマレーザーの皮膚に対する生物学的作用を明確にすることを目的とする。 4.表皮毛包ユニットにおけるメラノサイトの制御機構を明らかにし、色素異常症の発症機序解明や新規治療法開発への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
C57BL6/Jマウスへのエキシマレーザー照射ではライトと異なり毛包下部にまでCPDが見られ、活性化したメラノサイトが見られた。不死化ヒトケラチノサイトHaCaT細胞への照射では、エキシマレーザーでは、ライトと同じ照射量ではCPDの形成が少なく、またcaspase活性の上昇が低かった。microarrayで遺伝子発現を解析したところ、エキシマライトではエキシマレーザーよりもapoptosisに関わるTNF-α系の遺伝子発現がより強く誘導され、さらにエキシマレーザーではエキシマライトに比べ、DNA損傷修復遺伝子の発現低下が少なく、CPDの修復がより強力に働くことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同じ308nmの波長の光でありながら、エキシマレーザーとエキシマライトは異なる生物学的作用を有することがわかり、白斑に対する色素再生の優位性のメカニズムが毛包深部に効率よく到達することができるためであることを明らかにした。一方でDNA損傷修復遺伝子の発現低下はエキシマレーザーの方が少なく、皮膚深部にまで到達するものの皮膚癌誘発においてはより安全な光であることが判明し、光治療を行う上での重要な結果を示すことができた。
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