研究課題/領域番号 |
21K08360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
岩田 洋平 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (60437861)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CD271 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、元来皮膚に存在するCD271陽性幹細胞の創傷治癒における役割をマウスにて解析し、創傷治癒に重要な様々な細胞成長因子を発現することで重要な役割を果たすことを明らかにした。ヒトの幹細胞は、増殖能、分化能において個人差が大きいため、幹細胞の皮膚潰瘍への臨床応用のためには、脂肪由来CD271陽性幹細胞の効率的な増殖と、創傷治癒に重要な細胞成長因子を産生する最適な状態に導くことが大切である。従って、本研究では、CD271ノックアウトマウスを用いた様々な創傷潰瘍モデルとヒト検体を解析することで、難治性皮膚潰瘍への幹細胞治療をより効果的に臨床応用するための重要な基礎データを確立する。
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研究実績の概要 |
今回の研究は、CD271ノックアウトマウスを用いた創傷治癒モデルの実施と解析である。2023年度は、CD271ノックア ウトマウスの繁殖と創傷治癒の解析を行った。解析に用いたホモ変異のCD271ノックアウトマウスは 、前年度に作成したヘテロ変異型のCD271ノックアウトマウスをペアリングし、出生したマウスをジェノタイピングスクリーニングを行い生育させた。 ホモ変異のCD271ノックアウトマウス、野生型マウスの背部に6ミリトレパンを用いて全層の皮膚創傷を作成し、創面積を計測し肉眼的創傷治癒を解析した。創傷作成3日後、および7日後の肉眼的創傷面積を比較したところ、CD271ノックアウトマウスは野生型マウスと比較し創傷面積が有意に大きく、創傷治癒遅延を生じることが明らかとなった。創傷部位に浸潤する好中球、リンパ球、マクロファージの数を免疫組織染色(MPO染色、CD3染色、F4/80染色)を用いて計測したところ、野生型マウス、CD271ノックアウトマウスの間で異なる細胞浸潤のパターンが得られた。 現在、創傷部における各種炎症性サイトカイン、ケモカインなどのmRNA発現レベルをrealtime RT-PCR法を用いて解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CD271ノックアウトマウスの繁殖に際して、受精卵から個体化した繁殖ペアを作成したが、親マウスが出生したマウスを養育せず、繁殖が上手くいかなかった。 子マウスは出生はしているので、胎生致死ではなく受精卵から個体化したマウスの個別の問題と考え、野生型マウスとのヘテロ変異マウス作成を経てホモ変異を 有するノックアウトマウスの繁殖という方法に切り替える必要が生じた。 ヘテロ変異マウス同士のペアで実験に用いるホモ変異マウスが得られないため、実験の遂行に時間を要する。
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今後の研究の推進方策 |
ホモ変異CD271ノックアウトマウスは野生型マウスと比較して創傷治癒が遅延することが明らかになったため、そのメカニズムについてmRNAの発現を含めて解析していく予定である。
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